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令和5年1月30日(月)

2023年・令和5年が始まりました。新しい年を迎え、それぞれが新たな気持ちで、新しい年の始まりのその時を過ごされたことと思います。それから1カ月。1月も明日で終わりですね。

昨年末から始まった新型コロナウイルス感染症の第8波に多くの人が影響を受けました。行動制限のない年末年始の海外移動および県外移動、また成人式など多くの人々が一同に集まるイベントなどなど、医療従事者が危惧した通り、新型コロナウイルス感染症の陽性者が一気に増えました。    当院でも高熱や咽頭痛の患者さまの対応に追われ、今も続いています。電話がなかなか繋がらなかったり、待ち時間が長くなったり、と診察までにお時間を要し、多くの患者さまにご迷惑をおかけする状況が続きまして、申し訳ありません。

わたしたちも肉体的にも精神的にも、きびしい状況が続いてますが、多くの患者さまが当院を後にした時に「良かった」「ホッとした」「安心した」と思って下さるようにと心がけながら対応しています。それでも忙しさに追われて自分たちが発した言葉・対応した行動が自分以外の誰か(患者さまを含めて一緒に働く仲間たちや家族など)を傷つけることがあります。あってはならないことなのですが、それでも人間なのでそのようなことが起こってしまいます。そんなときに心を落ち着かせるために「お茶」をゆっくり淹れて心静かにお茶を飲みます。

大徳寺の戸田惺山住職のお話から抜粋します。

わび茶の祖である村田珠光という禅師が茶道というかたちで禅の規律や礼儀作法を取り入れ、お茶を点てる行為そのものを作法として、お茶をいただく場を心安らぐ空間へと変えました。禅から学んだ精神を注ぐことで、人間の心のありかたを深く考える場にしました。

禅と聞くと「修行が厳しい」と思う方も多いと思います。禅の修行と言えば「座禅」ですが、お念仏を唱える宗派や千日回峰行をする宗派など様々です。様々な修行や戒律が宗派によって異なるのですが、どの修行にも共通しているのが『毎日同じ行いを繰り返す』ことです。仏教では体と心が一体で、体を整えれば心も自ずと整うと考えられてます。繰り返すことで体と心を整え、自分とは何かを追求し、苦しみの原因を自分で観察します。そうして体と心を縛っている自分という意識から解放します。それが禅でいう修行で、自分を忘れるための練習なのだそうです。

日々の些細なことを繰り返して、自分にとらわれなくなる練習が禅の精神ということですが、それを日々のお茶を淹れて飲むという一連の動きで感じることができます。茶道には「和敬清寂」という言葉があります。仲良く、相手を敬い、清浄な空間で心がしずまるという意味です。聴覚、嗅覚、味覚、触覚、時間を使って目の前のものをじっくり味わい、五感でしっかりと向き合う・・・こうした時間を過ごすことで目の前にある相手や自然を敬ってお茶をいただくと心の豊かさや温かさ、充足感が湧き上がってきます。こうした安らぎのありようは、現代の人と人との関わりにも生かせます。日々の暮らしの中で人や自然を敬い、感じ、学び、体感するうちに、やがて心をどのように使うか、気づけるようになっていくでしょう。

令和5年1月。この言葉を胸におき、ひとつひとつの物事に丹念に向き合い、「楽しく生きる」ための一歩を踏み出したいと思います。

 

令和5年2月12日(日)

2月。少しずつ春の足音が聞こえてきました。庭の木々にはかたい、芽吹くにはまだ時間がかかりそうな小さな葉のつぼみが、暖かくなるのを待っています。プランターには、秋に植えたはずのチューリップの球根が土の中で眠っています。駐車場の端の庭には数年前に植えた水仙の葉だけが、生えています。春になると、これらの植物がいっせいに花開き、美しい庭になるはず・・・。と毎年、春の花の香りいっぱいの庭を夢見て、これまでも春の花の球根、苗、種などを植えて春を心待ちにしてきました。 ところが、チューリップは咲かない(涙)、パンジーやビオラは植えてしばらくすると、はらぺこあおむしたちの広場と化す、可愛い花が咲くはずの種は、さるかに合戦のカニのように水をあげても、なかなか育たない・・・ と、自分が思い描いた庭とはかけ離れている現実に、がっかりしていました。

そこで考えました。『自分のようなおおざっぱな人間には、手入れが必要な植物は無理だ!もう花はあきらめてグリーンをきわめよう』と、ここ2年ほど多肉植物やグランドカバーを植え、少しずつ育てています。なのでガーデニングではなく庭作業です。多肉植物も様々な種類があり、それを寄せ植えして高低をつけて奥行を出すところがセンスの見せどころ。(←と偉そうに語ってますが、放置している間に助長したり、腐らせたり)。まだまだ“センスの見せどころ”とまではいきません。多肉植物もまめな手入れがいるのです。

そして、近頃、新たに始めたのが、苔庭です。苔の本まで買ってしまいました。日当たりの悪いところには苔。日が当たるところにはタマリュウ。(←こちらはグランドカバー)そして、夜にも楽しめるように電気のいらないソーラーライト。ソーラーライトの周りには置物。それと多肉植物のフェイクグリーン。だんだん庭らしくなってきたところです。先日は白砂利も買って、雑草が生えないように通路にまいてみました。だんだん風情が出てきて、ひとり悦に入っています。

世の中の人は庭と聞くと、色鮮やかな花が咲き乱れる庭を想像すると思いますが、わたしのようになかなか手入れができない人間には緑の濃淡だけの植物(とフェイクグリーン)でも楽しめるのです♡ 今年は『苔』を窮めたいと思ってます。

令和5年2月28日(火)

もう聞き飽きた言葉でしょうが、『1月は行く、2月は逃げる、3月は去る』の言葉の通り、あっという間に2月も今日まで。今年の2カ月は例年以上に早く感じました。

早く感じた分だけ、春の足音が聞こえてくるのも早いような気がします。毎朝、依田さんの天気予報を聞きながら、大雪や寒波の情報に『寒い、寒い、いつまでこの寒さが続くの?』と嘆いていた期間が今年は短かったような気がします。朝起きた時の窓の外の景色は、真冬の風景から春の風景に変わってきました。凍てつく寒さの時期に葉っぱを落とし、静かに春を待っていた樹木たちが、今は小さな新芽を装っていて、春の訪れを教えてくれています。

ピンと張りつめた空気が緩み、次第に日が延びてくると自然界には春の暖かな陽気が満ちてきます。草花は芽吹き、地中からは様々な生き物たちが顔を出します。春は生き物たちの命がいきいきと育まれる生命力あふれる季節なんですね。それは人間も同じ。春になると何か新しいことを始めたくなったり、心にも体にもエネルギーが満ち溢れてきます。日本の4月スタートは自然のサイクルにぴったり合っているということですね。

東洋医薬学では、植物が新芽から青葉へと草木が成長していくように、春は人間も活動的になります。なので、それを発散させるのが『春の養生法』です。自然の気に逆らって室内にばかりいたり、発散しないでいると、陽の気がどんどん上昇して体内に滞り、そのために上半身に異常が現れやすくなると考えられます。春のめまいやのぼせ、気持ちの高ぶりによる不眠などは、春の陽気の上昇に伴う代表的な症状といえます。

このような春の不調の解決策の一つとして、『スマートフォン絶ち』があります。スマホからの情報があまりにも多すぎて、現代人は心身共に疲れているそうです。

①仕事でPC、プライベートでスマホ。全身の運動量が少ないと全身の血流と酸素の供給が滞り、ますます頭や目に疲労が溜まる。

②人が一度に使える注意力のことを『注意資源』と言いますが、スマホを見続けているのは注意資源を使い切っている状態で、頭と目が疲れる。

③スマホの情報が多すぎて脳の情報処理能力が追い付かず、判断力・意欲が低下、イライラする。

④SNSの投稿が気になって何度も見る、「炎上」などで批判を受けるなどSNSが原因で心をかき乱され、人間関係などに疲れを感じる。

このようにわたしたちの生活に欠かせないスマホが、体の不調の一因になっているそうで、自分自身のためにも共に生活している大切な家族のためにも、スマホとの接し方を見直してみることが必要です。(春とは言わず、新年度に向けて改善していきたいですね。)

令和5年5月10日(水)

4月はマイナンバー導入で、5月は新型コロナウイルス感染症の対応変更で医療機関は慌ただしい日々を送っています。マイナンバーカードでの保険証認証を国が早々に決めたおかげで、わたしたちはさらに業務が増えました。(国はどこまで医療機関を苦しめるのでしょう。)

マスク着用の義務化もなくなり、世の中はコロナ前の状況に戻りつつありますが、発熱外来にはやはり発熱の患者さまからのご相談や検査など、コロナ禍の状況とあまり変わりません。

そんな忙しい日々を送っていると、日常から逃避したくなるのでそんなときのために心身リセットの方法をいくつか持っています。

いくつかあるうちのひとつが、「森の中を散策」。わが家も木々に囲まれて小さな森の中に住んでいる気分になるのですが、そんな「なんちゃって森」なんかじゃありません。もう「森‼」ってところに行くのが一番。そこで、ご紹介したいのが「森でリトリート」。

リトリート(Retreat)とは、数日間住み慣れた土地を離れて、仕事や人間関係で疲れた心や体を癒す過ごし方のこと。5時間かけて森林セラピーガイドと散策する「森 de リトリート」は精神医学の専門的観点からも効果は絶大だそうです。

が、そこまで専門的ではなくても、森の中を散策することで、心身リセットできるポイントがあるのでいくつか挙げてみます。

①森の中で深呼吸。森の中に大量に漂う植物の香り成分フィトンチッドを嗅ぐことで精神を安定させてくれる効果があります。フィトンチッドは植物のもつ殺菌物質でハーブや漢方薬の成分もその一種です。

②小川のせせらぎ、風の音に耳をかたむけ、木漏れ日や揺れる草木を眺める。規則的なリズムと不規則なリズムが調和した状態を『1/fゆらぎ』といって、リラックス効果が得られます。

③靴や靴下を脱ぎ、裸足で大地に立つアーシング。現代人は電気が溜まりやすい環境にあるので電化製品のアース線のように体の電気を放出することで、ストレスが軽減して、睡眠が改善し、痛みが軽減するのだそうです。これは足だけでなく、素手で地面や植物、自然の水に触れても同様の効果が得られます。

④散策にともなう日光浴。ビタミンDの効果は今までもお伝えしましたが、15分日光に当たるだけでビタミンDの効果を得られます。ビタミンDは粘膜の強化に関わりが深く、上咽頭に付着したウイルスや細菌を殺すたんぱく質を生成する効果があることが確認されています。またビタミンDが不足すると幸せホルモンと言われるセロトニンの産生が低下し、うつ状態になるリスクが高まる可能性があるので、ビタミンDを日光浴で増やすのはとても重要です。

わたしのいきつけの『森』は新田神社。ゆっくり深呼吸をしながら階段を上ります。木々に包まれた階段を上り、木漏れ日を眺め、帰りには大きな大きなクスノキに両手で数分触れ、挨拶をします。それだけでもずいぶんリフレッシュできます。

時間のある日は霧島神宮の『森』。どちらの森もリトリートできる素敵な場所です。

令和5年6月12日(水)

4月の中旬、院長が和歌山で開かれた学会に出席するため休診になったので、2年ぶりに京都へひとりで1泊2日の旅行をしてきました。

わたしの京都旅行は毎回目的を持っていくのですが、今回は桜から新緑へ移りゆく時期なので、日本の庭の美しさを再認識したい気持ちもあり、いくつか庭の美しい寺社をピックアップ。混雑具合やお天気も考慮しつつ、自分自身がリカバリーできるところへ足を運びました。

2日目の朝、向かったところは右京区の妙心寺。全国3,400の寺院を持つ臨済宗妙心寺派の大本山にして日本最大の禅寺です。広大な敷地に現在46もの塔頭寺院が点在していて、多くの重要文化財や史跡・名勝に指定されちる庭園・寺宝が保存されています。塔頭寺院はほとんどが非公開で、修行と戒律を重んじるお寺としても知られています。僧の修行の場である禅寺の特色を残す歴史あるお寺です。そのうち、公開されている塔頭寺院を訪ねることにしました。

1番に伺ったのが『退蔵院』です。妙心寺と言えば退蔵院と思い浮かべることができるほど、妙心寺の公開されている塔頭寺院の中では1番知られています。600余年の歴史をもち、1年を通して美しい花々に彩られた華やかさと禅寺の落ち着いた佇まいを併せ持つ寺院で、剣豪・宮本武蔵も修行したことがあります。『退蔵』という言葉には『価値あるものをしまっておく』という意味があり、陰徳(人に知られないようにして良い行いをする)を積み重ね、それを前面に打ち出すのではなく、内に秘めながら布教していくという意味があるそうです。

その退蔵院で1番の見どころは、やはり国宝の『瓢鮎図(ひょうねんず)』。室町時代の水墨画の先駆者である如拙の筆で日本最古の水墨画を見ることができます。庭が一望できる広い縁側にボーっと座り、春から初夏へと移り変わる木々や花々をひとつひとつゆっくり眺め、頭や心に散在している自分の穢れと向き合い、気持ちが少し落ち着いたところで部屋の中へと足を進めます。きちんと整えられた美しい和室の奥にその掛け軸は下がっていました。

描かれているのは、水の中を泳ぐナマズをひょうたんを持った男が捕えようとしている図。と、口で言えば簡単ですが、男がひょうたんをしっかり持っているようには見えなかったり、本気でひょうたんでナマズを捕えようとしているようには見えなかったり、ナマズはナマズで男を挑発しているように見えたり、男の後ろに見える山と手前にひょろひょろと生えている竹が、まるで中国の水墨画に描かれているような幻想的な風景で、まるで『禅問答』を自分に問いかけられているような不思議な気持ちになります。実際に、この絵は足利義持の命で「ただでさえ捕まえにくいナマズをこともあろうにひょうたんで捕まえようとする」問いかけを図示したものなのだそうで、31人の禅僧がこの絵の上の部分にそれぞれの答えを必死で書いた筆致が興味深い掛け軸で、見れば見るほど禅の世界にワープしていきそうな不思議な感覚にとらわれました。

この掛け軸のあるお部屋の横では座禅の体験プログラムが事前予約制(10名以上)で開かれており、身体、呼吸、心を整え、身と心を清浄に保つための座禅の修行を体験させてくださるそうで、機会があればぜひ体験してみたいと思います。

~退蔵院にて①~

令和5年6月21日(水)

さて、その日は退蔵院の建物、庭など、午前中ゆっくり拝観しました。退蔵院の庭は、外からは想像のつかないほどの広大な庭が広がっていました。植えてある木々や花の美しさに目を奪われ、以前からわたしが興味を持ってCDまで持っている『水琴窟』の音色や、流れている水のせせらぎに癒され、その空間に自分の身体を置いていることだけで、今まで自分の身体に溜まっていた負のオーラが少しずつスルスルと溶け出していくような不思議な感覚を覚えました。このまま時間が許すかぎり、この空間に自分を置いておきたいと感じるほどでした。

そんな気持ちを抱いたわたしにぴったりのおみやげが売られていました。『ひと粒の禅』という小さな袋に飴が1個。そこで、さっそく買ってきて、家で開けてみました。中には詳しい説明書が入っていました。↓

『ひと粒の禅』

禅では、一つのことに意識を集中させる修行がある。行往座臥といい、座ってもたってもいかなる時も、一つのことに集中すれば、禅の修行ができるのだ。食べる、歩く、掃除の水拭き。それだけに、集中。それらはなんでもいい。だから、ここでは飴を舐めることだけに集中して、禅の入り口に立ちたいと思う。飴を舐めることだけに意識を集中する奇妙な体験。7分のカラダの旅路、インナートリップへようこそ。

そして、もうひとつ。しおりのような細長いカードが入っていました。↓

『ひと言の禅』 ~無事~

道を究めた人はいかなる状況におかれようとも、あるがまま、造作なく物事に処されます。外に求める気持ちがなくなったとき、本当の無事の境地が得られます。年末になると、今年一年、何事もなく平穏に過ごすことができた。ということで「無事」という字をよく見かけます。しかし、禅の世界での「無事」はそういう意味ではありません。先日、朝日焼16世の襲名披露にお伺いしたとき、先代の15世はいつも「作為があっては良い作品はできない。無作為にあるがままを受け入れると不思議と良いものが出来上がる」とおっしゃっていたと聞きました。花が美しいのは、ただそこで必死に咲いているから。外に求めず、ただそのものになりきる。それが本当の「無事」なのです。

たった半日、その世界に足を踏み入れただけのわたしでしたが、言葉のひとつひとつが心に刺さりました。集中すること、無心で(無欲で)ものごとに向かうこと・・・きっとこれが、今の自分には足りないのでしょう。今回の京都旅行で退蔵院に足が向かった意味がわかったような気がしました。

~退蔵院にて②~

令和5年8月9日(水)

連日、ニュースで報道されていました台風6号がいよいよ県本土に近づいてきました。昨日は、診療終了後にスタッフ全員で駐車場や院内敷地内、院内の台風対策を行い、今日の台風接近に備えました。今日は午前のみ臨時休診とさせていただきました。ご予約をお入れくださっていた患者さまにはご迷惑をおかけしまして申し訳ありませんでした。

日本の夏は過ごしにくいといわれています。北海道全域を除く日本列島全域が雨期に入ります。日本ではとくに雨が多いうえに気温も上昇し、地面に降った雨が蒸されて、一年中でもっとも湿度が高くなります。そして、1ヶ月にわたって降り続いた梅雨が明けると、気温はさらに高くなります。さらに台風が到来して湿った空気を一気に運んできます。このような状況を東洋医学では『湿邪(しつじゃ)』と呼びます。

今まさに台風が通りすぎるこの時期(湿邪)の体調を整えるためのポイントを挙げてみます。この時期、わたしたちの体の中で一番影響を受けやすいのが皮膚です。

皮膚は表面から表皮、真皮、皮下組織の三つの層からなり、痛みや暑さ、寒さなどを敏感に感じ取るセンサーの役割を果たしています。暑いときは汗腺を開いて発汗し体温を下げ、寒いときは表皮を引き締めて体温の低下を防ぎます。また、外部からの刺激や細菌、紫外線の侵入を防ぐバリア機能もあります。表皮の上部にある角質層は弱酸性の脂肪膜で覆われ、異物の侵入をシャットアウトします。表皮にある汗腺や皮脂腺は不要になった水分を汗や皮脂と混ぜて代謝しています。

ところが湿度が高くなり空気中の水分が飽和状態になると体内の水分が排出しにくくなります。外気の湿度が高まるほど皮膚に負担が高まることになります。この時期に皮膚の疾病が悪化するのはそのせいです。

そして、次に「湿邪」が体内に入り込むと胃腸に影響が出ます。余分な湿気で胃は重苦しくなり、ガスが溜まって腹部が張ったり、下痢を繰り返しやすくなります。嘔吐や下痢、頭痛を伴うこともあります。湿度が高くなるほど、胃潰瘍や十二指腸が悪化し、穿孔の数も増えるという臨床データもあります。

では、養生ポイントは・・・

①冷たい食べもの、飲みもの、生ものは避ける

②お風呂の入り方に一工夫

夏の暑い時期はお風呂に浸からずシャワーだけで済ませる人も多いでしょうが、やや熱めのお湯(40~42℃)に短時間、寝る前の1~2時間前に10分以内の入浴をしましょう。一度上がった深部体温が1時間ほどでぐっと下がって寝つきが良くなります。また毛穴の開閉する機能が活性化して、暑いときでも疲れにくくなります。さらに体を殺菌したいとき、たとえばかゆみがあるときや雑菌の繁殖が気になる雨季は、「塩風呂」がおすすめです。粗塩を片手で一握り、浴槽に入れます。塩による抗菌効果で予防できますし、発汗も促すことができます。

令和5年8月30日(水)

8月も明日までとなりました。今年の8月は暦の関係でお盆休みが13.14.15日と3日になってしまいましたので(例年は14,15日の2日お盆休み)、お盆明け16日は多くの患者さまにご迷惑をおかけしました。待ち時間も大変長くなってしまい申し訳ありませんでした。

先日、当院で院内勉強会がありました。当院で扱ってますサプリメント会社で医療機関に出向き、食と栄養について多くの患者様にカウンセリングを行っている管理栄養士の先生のセミナーでした。セミナーのタイトルは『女性のよくあるお悩みは基礎栄養で改善』。すぐに実践できることを抜粋してご紹介します。

『栄養療法』とは・・・。本来の治療を生かすためのベース作りとして重要。

※薬がうまく代謝できていないかも? →腸管粘膜の改善

原因として考えられるのが、・タンパク質の不足による酵素の減少 ・鉄不足による体温の低下 ・エネルギー不足で細胞が薬を代謝できていない。

※根本的解決ができていないかも?

症状が抑えられただけで、症状が起こる原因の解決になっていない

人間の体には、ひとつひとつの細胞があり、ベースのコンディションがある。治療の力が加わり、疾病の治癒へ向かう。そのためにはベースのコンディションを整えた上で治療(処置・投薬など)の力を加えて、治療へと繋げる。

★タンパク質をコントロールしましょう

代謝が働く温度は36.5℃~37℃。タンパク質吸収量には限度があるので、消化酵素を足してでもタンパク質を食べてください。

+消化酵素 大根おろし(おろしたら酵素が失活しないうちにすぐに食べる)

      調味料(肉類の下ごしらえに工夫してみる/玉ねぎやパイナップル、キウイに肉を漬け       込むとタンパク質の繊維が切れて、消化しやすくなる)

+酸  酢の物を増やして、胃酸を強くする(レモン汁、酢など)食品に直接かけるのもおすすめ。

★よく噛みましょう

よく噛むことで食べ物が細かく砕かれ、消化酵素を含む唾液の分泌が促進され、栄養の消化吸収が促される。ひとくち30回噛み、時間をかけて食べる。よく噛むことでリラックスしてくる。

★食事はリラックスして楽しく食べる

イライラしながら食べると交感神経が優位になり、消化が止まり胃酸や消化酵素が出なくなり、便秘と下痢を繰り返す。

個食が多い現代、スマホを見ながら食べがちですが、それにより消化の3割を失っている。食べ物を彩りや盛り付けなど目で楽しみ食事をすると吸収の割合もちがってくる。食事はリラックスして楽しく食べましょう。

令和5年12月13日(水)

激動の令和5年がまもなく終わろうとしています。振り返れば令和4年の年末から始まった新型コロナ感染症患者さんの激増から年が明け、かつてないほど多くのコロナ患者さんの対応でスタートした令和5年でした。それから数カ月でコロナが二類から五類へ変更となり、世の中はコロナ前の生活に少しずつ戻ってきました。

とは言っても、感染症と思われる患者さんへの対応は医療機関では今までと変わることなく、相変わらずコロナやインフルエンザや溶連菌感染症などの発熱を伴う症状の方への医療は続いています。

患者さんの健康に対する意識も少しずつ変わってきました。それまではコロナに罹らないために・・・という感染症予防への意識が強かったのですが、現在は『今後、健康でいられるために』と自分や自分の家族が健康で過ごすためにはどのような生活をしたらいいか?という意識を持って診察を受けられる方が多くなりました。

さて、常々書いている通り、日本には変化に富んだ四季があります。(今年は秋が異常に短かったのですが)四季の変化に応じて食物が成長し、実りの秋を迎えるように、自然界の一員であるわたしたちも、季節の移り変わりで様々な影響を受けています。季節の養生は一年を通じて健康に過ごすための基本です。

①旬の食べ物を積極的に食べる。太陽のエネルギーをいっぱい浴びた旬の食べ物には、その食べ物が持つパワーをいただきましょう。

②四季の移り変わり、気温、湿度、天気などに敏感になり、季節の陰陽の『気』を感じましょう。二十四節気ごとの養生に意識して過ごしましょう。

③今の季節を過ごすだけではなく、次の季節に備えて日々の過ごし方や食べ物にも考えて生活すれば、それが養生につながります。

④「ぐっすり眠る」「よい姿勢を心がける」「深呼吸をする」など、1日を通して健康を意識した生活をしましょう。1日1日の積み重ねが養生であり、健康をもたらします。

⑤不調のときはそれなりの過ごし方(休む、不調の際のおすすめの食材を食べる)をしましょう。

【大雪(たいせつ)12/7~21頃まで】

冬至に向かうこの時期は日照時間も短くなり、エネルギーである陽気が減って陰の気が増えてきます。そのため、気分が塞ぎがちになります。生命エネルギーの源である腎が弱ると疲れやすくなったり、さらに体が冷えたりするので、腎によい食材を意識的に摂りましょう。そして、ゆっくり休むことが大切です。

おすすめの食材:ほうれん草、牛肉、しいたけ、山芋、長芋、えび、ニラ、黒豆、黒ごま

※注意※ 大雪に起こりやすい不調

陽気が減って精神が不安定なところに年末の忙しさも加わり、疲労感やストレスに悩む人が多くなります。腎は五臓五腑の活力の源であると同時に膀胱や生殖器、骨や骨髄、耳の働きを司っているので、これらの器官への影響が現れやすくなります。

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