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院内新聞【みみだより花だより】 

 

こちらでは当院で96年(平成8年)10月から月に1度発刊している院内新聞を掲載させていただきます。

HP上では記事内容だけになりますが、実物はイラスト満載で、職員の手作りになっております。どうぞお手にとってご覧下さい。

表は主に院長と事務長と薬局からの情報が掲載されており、裏面は、職員のテーマ別エッセイが掲載されています。

みみだより281号(令和2年9月)

新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの流行は混在するのか

8月25日の厚労大臣の記者会見で今期のインフルエンザワクチンの供給量をH.27年以降で過去最高にすること、4種類のウイルスに対応する4価のワクチンとすることなどが報告されました。

現状65歳以上の高齢者が予防接種法で定期接種の対象になっていますが、8月3日の感染症学会の提言で医療関係者、高齢者、ハイリスク患者、小児、特に乳幼児から小学校高学年までの接種が強く推奨されたことを踏まえて、優先的接種の呼びかけを行うとしました。

例年、10月から2月ぐらいまでがインフルエンザの流行期間ですが、年末から来年初頭にかけては、新型コロナウイルスの第三波の襲来も懸念され、発熱患者さんの識別が困難になることも心配されています。当院でもその点を踏まえて、発熱患者さんを別ルートで対応できるような準備を進めております。

新型コロナウイルス感染症に対する施策は今のところ、3密を避けることが中心になっておりますが、辞意を表明した安倍首相は、記者会見の中で検査数の増加と感染症法の運用を見直すことを表明しました。つまり、これまで第2類感染症に準じた対応が義務づけられ、感染陽性者は全員が隔離を要するとなっていましたが、無症状者は自宅療法を基本とする方向で運用を見直すことになりそうです。

また、それ以前に年当初までに2億人分のワクチンを確保したいとしました。

そもそもワクチンの有用性が疑問視されており、同様のRNAウイルスであるインフルエンザウイルスであるインフルエンザウイルスが毎年変化して、毎年ワクチンを接種することが必要なように、同様のことが想定されます。重症化する集団がある程度予想できるようになった現段階で、安全性を長期にわたって検討しないうちにワクチンを運用することには疑問を感じます。


【今月の1冊】

『遺伝子は変えられる』シャロン・モレアム著 中里京子訳 ダイヤモンド社 2017年

「遺伝=運命」は、もう古い! 最新科学「エピジェネティクス」のすべてを、全世界注目の「遺伝子学者×医師」が解き明かす!栄養で遺伝病の発現が変わるなどなど、我々の運命は全てが遺伝で決まっているわけではないことを数々の例と挙げて検証しています。

みみだより280号(令和2年8月)

新型コロナウイルスの狡猾さと人類

夏になったら下火になるといった当初の期待はもろくと裏切られ、高温多湿の中でもこのウイルスは拡散し続けています。7月24日付けの南日本新聞に掲載された国立環境研究所生物生態系研究センター室長の五箇公一(ごかこういち)氏の論評がこのウイルスの特徴を良く表してました。

『このウイルスの最大の特徴は、感染しても約8割の人が軽症か無症状であるという点だというのです。つまり、ウイルスの側から言えば、あまりに強毒で感染した人が強い症状を出したり、致死率が高かったりすれば、可視化できるために封じ込めが徹底して行われ、終息も早いし、ウイルス自らの長期的な生存を危うくしてしまう。そこで宿主に感染しても症状を出さず密かに増殖して、無症状のままで次々に感染を拡大していくという、これまでのウイルスとはかなり違う狡猾さを持っている』と述べています。

その上で、人類の最も優れた叡智は、利他的な行動ができるという点だと言っています。つまり『ウイルスも細菌も、その他の生物も人間以外は自分たちの祖先を残すことのみに執着しているが、人類だけは自分や自分の血縁以外の他の人のために助け合うことができる唯一の種だ』と。そうやって地球上で反映することができた。

ところが、現代社会においては、その利他的な行動規範が崩れ、自分さえ良ければ、今さえ良ければ・・・と言った利己的な考え方が蔓延してきているのではないかと。

若者が、自分たちは感染しても重症化しないからと感染対策を怠ることで、その先に起こってくる悲惨な事態をひき起こしていかないように、年齢に関係なく、利他的な、人類にしか与えられていない行動範囲を思い出して欲しいと結んでいます。

このウイルスは、市中感染の形で拡大し、もしワクチンの開発がうまくいかなければ、数年あるいは数十年単位で共存していくことになるかも知れません。

先は見えませんが、たとえ高齢者であっても、百寿者の中に回復した方が世界中で報告されているように、85才以上で全く薬を飲んでいないような方々の免疫力の研究に今後資金をつぎ込むというプロジェクトがあってもいいかも知れません。


【今月の1冊】  『ウイルス VS 人類』

瀬名秀明 押谷仁 五箇公一 岡部信彦 河岡義裕 大曲貴夫 NHK取材班 文春文庫

「NHK BS1スペシャル ウイルスVS人類」というシリーズが2回にわたって放送されました。その際に取材した内容をまとめて、さらに深く討論したのが本書です。タイムリーでウイルスと人類の関わり合いが良く理解できる内容になっています。おすすめです。

みみだより279号 (令和2年7月)

新型コロナウイルス感染症について
“集団免疫の可能性と新しい生活様式”
 

アメリカ合衆国・ブラジルを中心にCOVID-19の感染陽性者と死亡者が増え続けています。にもかかわらず、2国はロックダウンなどの政策を行うわけでもなく、経済活動優先を貫いています。

当初、スウェーデンが早く集団免疫を獲得しようという政策の元に、特別な封じ込め数を講じませんでした。そのために多くの死者を出してしまいました。果たして、集団免疫は成立するのか?

この問題は、各方面で議論されています。PCR検査で陽性だからと言っても、全く無症状の人の割合が高いのが40代以下の若い人たちです。東京都で行った大規模な定性抗体検査では、人口の0.1%が陽性だったという結果が報告されました。また、一方で、東大の研究では定性抗体陽性者の90%が定量検査では陰性だったという報告でした。無症状の人たちでは抗体価が上がりにくく、一度上がってもすぐに消えてしまうという報告もあります。

このような事実を勘案して、専門家の1人は、集団免疫が確立するのには、相当の時間を有するし、その間に亡くなる人の数を考慮すると、選択肢としてはかなり疑問符がつきそうだとの認識を示しています。

解決策の一つがワクチンです。わが国を含めて世界中でワクチンの開発が進んでいます。イギリスのアストラゼネカ社の製品が一番始めに使われ始めるのではないかというWHOの見解もありました。

アメリカはかなりの額をその研究資金としてつぎ込んでいるようです。わが国も政府筋でゼネカ社と交渉中のようです。

自国のワクチン開発にもっともっと資金をつぎ込んで欲しいと思います。自国中心主義がまかり通るようになったこのご時世に、他の国のために本気で供給してくれるでしょうか。アメリカがほとんど持って行ってしまうのではないかという心配は杞憂でしょうか。やはり、自国開発に資金をつぎ込み、一刻も早く使えるようにしていくことが政府の努めではないかと思います。

東京オリンピック2020が2021に開催できる見通しは今のところありません。優秀なワクチンを開発し、世界中に供給し、パンデミックを押さえ込む以外に手はないのですが、ほぼ時間切れの様相で、困難な道のりであることには間違いないようです。

 

みみだより278号(令和2年6月)

小児科医会からの提言について

日本小児科医会は、2歳未満の小児についてマスクの着用がむしろ危険であるとの提言をしています。  ~以下引用~

世界の新型コロナウイルス小児感染症から次のような点がわかってきました。

・子どもが感染することは少なく、ほとんどが同居する家族からの感染である

・子どもの重症化はきわめて少ない

・学校、幼稚園や保育所におけるクラスター(集団)発生はほとんどない

・感染した母親の妊娠・分娩でも母子ともに重症化の報告はなく、母子感染はまれです

・子どもの新型コロナウイルス感染症は今のところ心配が少ないようです

・乳児の呼吸器の空気の通り道は狭いので、マスクは呼吸をしにくくさせ呼吸や心臓への負担になる

・マスクによって熱がこもり、熱中症のリスクが高まる

・顔色や口唇色、表情の変化など、体調異変の気づきが遅れる

など乳児に対する影響が心配されます

※2歳未満の子どもにマスクを着用させるのはやめましょう・・・

みみだより277号(令和2年5月)

今までの旅行の思い出・これから行きたいところ

新型コロナウイルスの影響で受診を控えられている患者さまからのご要望もあり、通常なら院内でお配りしている『みみだより花だより』の裏面の内容をここに転載させていただきます。

◆コロナウイルスの影響もあり、今年に入ってからイベントや旅行や買い物にも出かけられず、自粛されているみなさんも多いと思います。引き続き、今年のGWは家でのんびり過ごす予定です。コロナウイルスが落ち着いたら、行ってみたいところがたくさんありますが、まず国内旅行に行きたいです。人が動くことによって、経済も良くなっていくと良いですね。(た)

◆今年は新型コロナウイルスの影響で、外出さえままならない状態ですが、通常の日々が戻ったら、一度、海外旅行に行ってみたいです。テレビでよく見るハワイなどいいな~と思います。少しでも早く、今の状況が収束することを願うばかりです。(な)

◆今年のGWは、旅行とかは諦めなければならない状況ですが、その分、お家のメンテナンスに明け暮れようかと考えてます(笑)。昨年の今頃に広島や福岡へライブに行き、感動したことを思い出します。今もそのDVDを観て、歌って、跳んで・・・また感動!! 笑

宮島へは、また行きたいなぁ~と思います。あの美しい景色や寺社を通り抜ける風を感じたいなぁ~と思う今日この頃です。のんびり、まったりしたい、そんな気分です。いつか、また♡(ば)

◆若い頃は、静岡や東京に住んでいたこともあり、あちこち旅行に行きました。職員旅行で行った諏訪湖のルネ・ラリック美術館、鴨川シーワールド、横浜中華街。箱根や伊豆高原にもドライブがてら友だちや先輩、後輩と行きました。海の幸、山の幸、美しい景色。冬の北海道、夏の京都、春の鎌倉。いろいろと思い出されます。新型コロナウイルスの猛威が終息したら、鹿児島の良いところを満喫しに行けるよう、情報収集にいそしもうと思います。(く)

◆小さな頃は、近場の旅行が多かったですが、結婚してからは主人が運転、地図が好きということで、車での旅行が増えました。車中泊をしたり、その日にホテルを予約し、夕方から福岡に行ったり。昨年はGWが長かったので、山口で1泊、島根で1泊。兵庫に住んでいる弟家族と合流し、出雲大社に行ったり・・・と。渋滞を味わいながら、とても楽しい旅行ができました。今年はコロナウイルスもあり、計画は立てていませんが、落ち着いたら、父の古希祝いも兼ねて計画を立てたいと思います。(り)

◆2年前、娘と2人旅に行きました。2泊3日で大阪へ。道頓堀をぶらぶらして、可愛いアクセサリーを買ったり、たこ焼きを食べたり、新喜劇で大笑いしたり。次の日は、USJでハリーポッターの魔法の世界にはまって、かわいいミニヨンのパレードに大騒ぎ。3日目は大阪城を観たり、お土産を買ったり、とても楽しくあっという間でした。早く新型コロナウイルスが終息して、また旅行に行きたいです。どこにしようかな。(あ)

◆数年前までは、年に1回は、親子3世代で家族旅行に出かけていました。長崎のハウステンボスや大分のうみたまごなど、いろんなところを旅行したのを覚えています。

最近は子どもたちもだんだん大きくなり、部活などが重なり、みんなで出かけることは難しくなりましたが、『このコロナの影響が落ち着いたら、またみんなで出かけたいね』とオンラインで話していました。帰省することもなかなか難しいので、わが家もオンライン帰省を実行してみたいと思います。(み)

◆行ってみたいところ:イタリア・フランス・エジプト・カナダ・・・他にもたくさんあります。今、新型コロナの影響で引きこもっていますが、落ち着いたら海外旅行へ行きたいです。今は時間はたくさんあるので、いろいろリサーチして旅行計画を立てたいと思います。一刻も早い終息といつもの生活が戻りますように。(こ)

◆新型コロナウイルスに対して、緊急事態宣言が発令されましたが、感染者数がなかなか減らず不安な日々が続いています。子どもたちも外出できないストレスがたまってきているので早く終息して欲しいものです。

流行が落ち着いたら、近場でもいいのでドライブに出かけたいです。子どもたちは『グリーンランドに行きたい♡』と言っていたので、行けたらいいなぁと思います。今は我慢、ステイホームですね。(ま)

◆10年前、ETC高速道路休日1000円を利用して、『本場の讃岐うどんを食べに行こう!1000円でどこまで行けるかツアー』をうどん好きの主人が計画、実行しました。県をまたがる度にSAに立ち寄り、少しずつ遠くに来てる感を味わい、初・瀬戸大橋には、スケールの大きさに感動!!長時間運転してついに香川に上陸。本場の讃岐うどんを堪能することができました。

翌日は愛媛からしまなみ街道~尾道に登り、帰路へ。景色もきれいで、食べ物も美味しかった!往復1500Kmぐらい走ったでしょうか。ほとんど運転していた主人はかなりハードな旅行で、「あのときは横でずっと寝ていたよね」と今でもイジられますが、忘れられない思い出の旅行です。(や)

◆10年ほど前、毎年夏から秋にかけてわたしと娘、息子の3人で横浜に行っていたことがありました。あるアーティストの熱狂的なファンだったので、1年通して日本各地で開催されるライブのうち、横浜アリーナのチケットを取り、東京在住の子どもたちと合流し、ライブで大盛り上がり。その後は3人で横浜の夜景を楽しみながら、美味しくて楽しい時間を過ごす♡というのが恒例行事になっていました。

いつしかそれが水道橋に変わり、オレンジのタオルを振り回し、それぞれが背番号付きのユニフォームを着て、大盛り上がり。その後は、勝っても負けても美味しくて楽しい時間を過ごす♬(これは変わらない)ようになりました。

今年はまだ開幕日も決まらず、火曜~日曜までのTV観戦もなくなりました。「いつもの平和な日々がどれだけ幸せか・・・」を痛感しています。(う)

みみだより277号(令和2年5月)

★診療制限についてのご協力のお願い★  5月1日更新

①県外からの2週間以内の移動者、並びに移動してきた人と接触があった方は、院内への立ち入りを制限させていただいております

②2週間以内に発症した、かぜ症状(発熱、咽頭痛、鼻汁、咳、呼吸困難など)、またかぜ症状がなくても2週間以内に発症した嗅覚・味覚障害の方も同様に、いきなりの院内への立ち入りはできません

③上記の方は、前もってお電話かインターネットで予約をしてくださいますようお願いいたします

④直接ご来院の場合には、駐車場内のお車か、車でお越しいただいてない場合は駐車場に設置してありますテント内で待機いただきます

⑤電話での問診等に基づき、適切な配分を行うこととなります

~新型コロナウイルス対策で、時限的に診療報酬上の特別措置が順次施行されています~

①新型コロナウイルス感染疑いがある場合には、完全防護策を講じた医師等が車またはテント内で簡易的な問診や診察を行い、その後の処方や紹介などを必要に応じて行った場合には、院内トリアージ料が算定されます

②落ち着いている状態の患者さま方の感染防御のため、オンラインによる診療が可能になります。電話またはインターネットでの申し込みが必要です

感染拡大の経過に伴い、今後も毎日のように状況が変化していくことが予想されます。臨機応変に対処してまいりたいと考えております。みなさまのご理解・ご協力をお願い致します

【注意すべき事】

①大型連休中に、県外からの旅行者や帰省客が少なからずあると思われます。無症状でもウイルス感染陽性である事が想定されます。接触を避けましょう

②旅行者もコンビニやレストランに入店しますので、特に買い物時には集団での行動を避け、買い物のリストを用意して、なるべく短時間で買い物を済ませるようにしましょう。素手による商品への接触、触った物をもとに戻す行為は極力避けましょう。帰宅時には丁寧な手指の消毒をお願いします

③十分な睡眠と栄養(十分なたんぱく質、ビタミン、ミネラル)、規則的な生活、座っている時間を短くして、筋力の衰えを防ぐスクワット、縄跳び、ラジオ体操などの筋力トレーニングを確実に行いましょう

あと3ヶ月で終息するよう頑張っていきましょう

みみだより276号(令和2年4月)

新型コロナウイルス感染症について その3

現時点でわかっていることについて復習してみましょう。

【疫学的な内容】

①感染しても無症状の人もいる(8割は軽症)

②半数で肺炎を起こすが、ほとんどが軽い

③肺炎患者の約14%が重症化する

④5%が集中治療が必要になり、その半数が死亡する

⑤死亡率は全年齢で0.7~2% 80歳以上では約15%

⑥高齢である事と合併症が危険因子となる 心臓疾患・糖尿病・高血圧

⑦喫煙が危険因子として高い 14倍の危険率上昇

⑧潜伏期間 2~7日(平均4日) 11.5日までに97.5%が発病

 ~したがって接触が疑われても2週間待機でOK~

 

【感染様式】

飛沫・接触感染が主体で、エアロゾル感染も可能性がある

 

【重症者臨床症状の経過】

①通常の風邪症状が3~7日間持続します

 4割に発熱  8割に咳  3割で息切れ  3割弱で痰 半数以上で筋肉痛・倦怠感   鼻汁は意外に少ない 嗅覚・味覚症状を訴える人がいる  消化器症状(腹痛・嘔吐・下痢)も4割

②7日以降から急激に呼吸苦となり肺炎症状が悪化

③入院治療

 

【注意すべき事】

①若い年齢層では重症化がないために、感染拡大を起こしうる ⇒ その後、必ずしも若年層が重症化しないというわけでもないことがわかってきた

②初期には風邪と区別できない

③手指衛生を徹底する

④3密(密閉・密集・密接)を避ける

⑤体調が悪ければ上司に相談して仕事を休む

○軽症症状の人は自宅療養が基本です 医療崩壊を招かないためにも徹底しましょう

みみだより275号(令和2年3月)

新型コロナウイルス感染症について その2

1918年から翌年にかけて世界的に大流行したいわゆるスペイン風邪の史実を振り返ってみましょう。アメリカで発生したインフルエンザ(Hsw1N1:1947年になって確認)は、第一次世界大戦の影響で、瞬く間に世界中に拡大しました。アメリカは自国から発生したことを隠蔽していました。スペインで、王侯貴族までが感染死したので、そんな名前になったらしいのですが、このときには世界中で6億人(当時の世界人口は約20億人)が罹患し、2300万人が亡くなりました。第一次世界大戦は終結を余儀なくされました。

日本でおよそ2400万人(当時の人口は5500万人)が罹患し、約38万人が亡くなりました。しかも大流行したのは真夏でしたので、当時の記録によりますと、東京では路上に死者があふれ、腐敗した臭いが漂っており、上野公園では、死者の大規模火葬が行われ、死体の山になり、阿鼻叫喚地獄絵図だったようです。 ~内務省衛生局:「流行性感冒」倭文社、東京、1989~

その頃はウイルスの存在がわかっていなかったわけですから、初動が遅れたことは否めません。しかしここで、象徴的な事実があります。1918年、米セントルイス市では市内で最初の患者が出て2日後には市長が緊急事態宣言を行い、学校・劇場といった人の集まる施設への外出を禁止しました。この判断が功を奏して、セントルイスでは被害を最小限に押さえ込むことができ、医療・社会機能を維持できたのです。

一方、フィラデルフィア市では、市内で患者が出てから2週間、何の対策も取らずに市内ではパレードも開催され、その結果、死者数がセントルイスの2倍にまでふくれあがり、医療や社会機能に大きなダメージを与えたのです。

当時の日本では、3派に渡ってスペイン風邪の襲来を受けており、最初の年の1918年は8月から、翌年は9月から、翌年は8月から といずれも真夏に流行しており、総罹患者数は23,804,673名、死亡者数388,727名、致死率は総計で1.6%と記録されています。

現在の新型コロナウイルスの致死率は、中国政府からの報告によると総計で2.2%(80代ではなんと14.5%)でスペイン風邪よりも高いことになり、今のところ感染力が相当つよいことを考えると、今後の急激な流行拡大に伴う社会機能の破綻が懸念されます。

一般的な予防法は、同じ飛沫感染のインフルエンザ対策と同様で

手洗い・うがい・アルコール消毒 中でも手洗いが重要です。指のまた、手首まで確実に洗いましょう。あちこち触った手で、口や鼻をいじるのは厳禁です。食事前には必ず手を消毒しましょう。症状のある人はマスクは必須です

最も怖いのは、心配するあまり患者が医療機関に殺到し、感染を拡大させ、医療機関が破綻してしまうことです。

症状が軽い場合には、電話相談の上で自宅待機が鉄則です。

国全体の経済活動の停滞やイベント特にオリンピックへの影響が起こらないことを祈ります。

(令和2年2月25日記載記事)

みみだより274号(令和2年2月)

新型コロナウイルス感染症について

中国から発生した新型コロナウイルスが拡散中です。WHOも中国への忖度から緊急事態宣言の発令を遅らせていましたが、1月末になって、宣言を出し各国への対応を要請しました。

さて、コロナウイルスは、これまで知られていたものが6種類ありました。その4種類は、一般的には最もよく見られるありふれた「かぜ」のウイルスとして知られています。

あとの2つのうち一つは2002年から翌年にかけて30を超える国に拡散して多くの死者(775名)を出したSARSウイルスです。このウイルスは致死率が9.6%でした。

もう一つは2012年にサウジアラビアで発見され中東を中心に未だに終息していないMERSウイルスです。こちらは致死率なんと34.4%と言われています。

そして今回の7つめの新型コロナウイルスです。感染者は今のところ(2/3現在)、中国の15,000人弱をはじめ日本では20人、各国でも1人以上の感染者が確認された国が20ヵ国を超えています。死亡者数は300人を超えました。すでに感染者数の数ではSARSを超えています。今のところ致死率は2%前後です。

一方、今期のインフルエンザによる死亡者数は8000人以上を超えており、それを考えるとあまりに過剰は反応は、かえって中国で起こっているような医療機関への患者の殺到を招いたり、あり得ない差別や現在既に起こっているマスク品切れ騒動など、社会に大きな影響を及ぼしかねないので注意したいです。

日本医師会は、海外渡航歴、特に中国(武漢など)からの渡航者で感染の疑いのある人は、いきなり医療機関を受診しないで、まず厚労省の対応窓口(03-3595-2285)への連絡を推奨しています。あるいは保健所(川薩保健所23-3165)にご連絡下さい。

【一般的な予防法】

インフルエンザウイルスと同じ飛沫による感染です。基本的に2m以上離れていれば感染しにくいのですが、感染者が触った手すりやつり革などには素材によって24時間~48時間程度はウイルスの活性が落ちないままに残っていることも考えられます。この点もインフルエンザウイルスと同様です。したがって、一般的な予防法はインフルエンザ対策と同様に考えていいと思います。

・手洗い、うがい、アルコール消毒

・咳エチケット(咳やくしゃみをする時には、口と鼻をティッシュや腕の内側で覆う)

・人混みでのマスクの着用(咳や鼻汁のある人との接触時には特に注意が必要)

・中でも特に手洗いが重要。指と指の間、手首まで確実に洗いましょう。また、マスクや顔  にはウイルスが付着している可能性がありますので、マスクや顔を触らないようにしまし  ょう。触った後は必ず手洗いやアルコール消毒を行いましょう。

・体力や自己免疫力が低下しないために、しっかり栄養・睡眠をとりましょう。

国全体の経済活動の停滞やイベント(特にオリンピック)への影響が起こらないことを祈ります。

みみだより273号(令和2年1月)

風邪をひかないために

インフルエンザの季節がやってきました。2019年は夏頃からポツポツと小さい流行がありました。年が明けて新学期が始まると一気に流行が加速するかも知れません。今のところA型がほとんどですが、例年ですと2月以降にB型の流行がみられることが多いようです。2月はスギ花粉症の季節でもあります。花粉症とインフルエンザのダブルパンチにならないよう、インフルエンザにかからないようにしたいものです。

インフルエンザは飛沫感染ですので、基本的に感染者から2m以上離れていればかかりにくいのですが、くしゃみをされると10m近くまで飛沫が飛ぶこともありますので注意が必要です。エチケットとして、くしゃみや咳による飛沫を飛ばさないような工夫が望まれます。正しいマスクの着用、鼻をかんだ紙の処理など気をつけたいです。

また予防接種も大事です。これは乳幼児(未熟)、思春期の児童生徒(成長期に伴う免疫能の低下)、65歳以上の高齢者(加齢による免疫能の低下)のために、罹患後に重症化する可能性があります。現在実施されている皮下注射方式での予防接種では感染予防はできませんが、かかった後の重症化を防ぐため前述の方々は接種が望ましいでしょう。

1番大事なのは栄養です。2番目が充分な睡眠、次いで手洗いうがいの励行です。栄養でまず摂っていただきたいのでたんぱく質です。動物性・植物性を組み合わせて1日に体重1Kgあたり1~1.5gが推奨されます。次いで大事な栄養素が食物繊維とビタミンとミネラルです。特に鉄分・亜鉛・ビタミンACEおよびB群、さらにDです。

中でも注目されるのがビタミンDです。最近になって、このビタミンの様々な働きがわかってきました。アレルギー性鼻炎や気管支ぜん息、アトピー性皮膚炎などのアレルギー性の疾患の根本的治療に有用である事がわかってきたのです。

風邪の予防で直接的に作用してくれるのはなんといってもビタミンCです。健康保険のない米国では風邪で医者にかかる人は多くありませんが、いずれにしても風邪薬は高くて処方すら困難ですので、ビタミンCを10g単位で処方されることが多いそうです。厚労省が定めているビタミンCの摂取量は1日にわずか100mgですから、10gはその100倍です。実際にはこのぐらい摂らないと風邪の治療には有用ではないのです。

特に喫煙者では、ビタミンCは極端に減っていますので日頃から1日レモン24個分!!(約2000mg)のビタミンCを摂りたいものです。ビタミンCの豊富な食材と言えば、緑黄色野菜でしょう。ブロッコリー、ピーマン、パセリ、アボカド、ゴーヤなどのほか葉物野菜が基本です。

さらにトマト、にんじん、カボチャなどには、同時にビタミンAも含まれています。ビタミンAは呼吸器の粘膜を強くします。

みみだより272号(令和1年12月)

我が国の栄養状態について

最近特に増えているのが、客観的に所見のない症候を訴える患者さんたちです。メンタル疾患と総称されることも多いのですが、実は単なる栄養不足が原因になっている場合が多いのです。

先進国と言われる我が国で、栄養の偏りによる病気がとても増えているように思われます。めまいや耳鳴り、治らない耳・鼻の病気、治らない咳やあちこちの痛みなど。

そして、糖尿病患者の増加はただ事ではありません。WHOの提言によれば、認知症の危険因子の第一番は糖尿病です。

うどん県で有名な香川県やお隣の徳島県では糖尿病による死亡率が極めて高いというデータがありますし、鹿児島県もワースト8位に名を連ねています。

糖質の高い甘い食べ物が氾濫していることや繊維質の少ない精製された穀物を大量に摂取する事がその要因と考えられています。また、本来噛むべき食品をわざわざ液体状に加工して簡単に取れるようにした製品がこれまた氾濫しているのもその要因の一つでしょう。

咀嚼を充分にすることが唾液の分泌を促し、唾液内の抗菌物質(AMP)を出すことに繋がります。また、この物質は甘味刺激で低下し、苦味刺激で増加することがわかっています。

 


アルコールとカフェインの明と暗

忘年会、クリスマスパーティー、新年会など年末年始はふだんと違う食事をする機会が多いと思います。適量の飲酒は食欲増進、ストレス軽減、血行促進など健康に良いと言われることもあります。カフェインが豊富な緑茶に含まれるカテキンには、抗酸化、抗炎症、抗血栓作用のほか、インスリンの利用効率があります。コーヒーに含まれるクロロゲン酸にも抗酸化作用があり、またカフェイン、ポリフェノール、マグネシウムは糖尿病の予防効果も期待されています。

しかし、いずれも「過ぎたるは及ばざるが如し」。それぞれの健康状態から判断し、健康に悪影響を及ぼさない範囲の適量を目指しましょう。

みみだより271号(令和1年11月)

自然治癒力とはなんぞや?

日本漢方の大家と呼ばれる先生方はたくさんいらっしゃいますが、その中でも異色の仙人のような方が小倉和成先生です。

先生の『自然治癒力を活かせ』という本を読むと、現代日本人が失ってしまった正しい食事のあり方(先生は正食と呼んでおられます)が書かれています。

その本からの一節です。「昨今は、生活のテンポが早くなったせいか、忙しくて、時間がなくて、という言葉をよく耳にする。多分に気分的なものが手伝っているのであろう。私は忙しいとは『心をうしなう(亡なう)』と書くのだとよく話すが、気ぜわしい生活の中では、食べ方一つを取り上げても、食物を充分に噛みしめる心のゆとりを失っているようである。食べることに尊心できないのでは、本当に食べるとは言えないであろう。

胃袋に流しこみさえすれば身につくと思ったら大まちがいである。人間の体のつくりは繊細で、食べる前のカロリー計算がどんなに精細でも、その食べ方によって結果は大きく変わってくる。よく噛むか噛まないかで、食べたものの利用率がぐんと違うからである。」云々・・。

この後に、失明寸前の緑内障の患者さんが、先生の指導する食餌療法などで改善した話が続くのですが、なんと、その患者さんは1時間以上もかけて噛むようにしたとのことです。

また、アメリカのObesity Code という本の中に出てくる話ですが、20世紀の初頭に活躍した栄養学者のFletcherは、一口100回ずつ咀嚼すれば、肥満を防止し、筋肉を増やせると言っていたそうです。20世紀初頭にはこのやり方が一大ブームになっていたそうです。

最近の論文によると、唾液の中に含まれている抗菌物質(AM`P:anticrobial prodact)は、甘み刺激で減少し、苦み刺激で増加するそうです。

したがって、よく噛んで唾液をたくさん出す習慣を身につけることが健康増進へ繋がるようです。

 


★今月の1冊  【自然治癒力を活かす】 小倉和成 著 創元社

「私たちがしたがわねばならない自然法則とは一体どんなものであろうか。およそ生きると言うことはエネルギーの摂取と消費という両面から成り立っており、そのどちらかに誤りがあってもその正誤の程度に応じて、生命のあらゆる面に、寸分違わずに、その反応が現れ、生命の強弱・長短・広狭・深浅に影響を及ぼすものである。どんな病でも、生き方の誤りを根本原因としないものはないであろう。そして、エネルギーの摂取と消費に関する自然法則には、次の要素がある。」と続きます。

みみだより270号(令和1年10月)

診療報酬改定について

消費増税に伴って、10月1日から診療報酬が改定されます。

初診料:282点 ⇒ 288点

再診料:  72点 ⇒ 73点

入院費:1591点 ⇒ 1650点

その他にも細かい項目で点数が上がっています。

そもそも消費増税の目的は何だったのでしょうか?

政府(安倍晋三内閣)は、こう言っていました。

「政府は増税分の一部を幼児教育・保育の無償化などにも充てる。社会保障制度の安定化と財政再建に向けて国民全体で痛みを分かち合う財源の柱というのが本来の趣旨」

ここで、最も国民が騙されているのが「財政再建」と言う言葉です。政府は『国の借金問題』をお題目にして、「財政健全化」のために「プライマリーバランスを黒字化」することを金科玉条のごとく、かたくなに固執してきました。

しかしながら、経済の基本として、どこかに黒字が存在すれば、反対側には必ず赤字が存在します。では、国の赤字というのは一体どういうことなのでしょうか。

これは、本来、自国通貨建ての国では、政府の赤字であって(つまり国債を発行して赤字になっているのは政府)、一方で黒字になっているのは国民の側なのです。

ですから政府が「基礎的収支を黒字にする」ことを目標にしているということは、政府は国民を赤字におとしめる政策をすると言うことになるのです。

日本政府が発行した国債は、決して国民の負債ではなく、国民の側から見たら黒字なのです。

つまり、日本政府はインフレ率が上昇して、ストップがかかるまで、多くの国債を発行して、財政出動しなければならないのです。

このトリックに国民みんなが気づかなければ、今回の消費増税は日本にとって致命傷となるでしょう。今の政府に責任が取れるのでしょうか?

 


【今月の一冊】

「子育て・仕事・人間関係 ツラいときは食事を変えよう」

 溝口 徹/著 あらいぴろよ/まんが 主婦の友社/出版

現代に生きる私たちは、何らかの不具合を抱えがちです。その不調や不具合を体質のせいだと思っていませんか。わたしたちの体は37兆個の細胞の集合体です。その細胞の一つ一つに十分な栄養が行き渡っていることが健康維持に必要です。これが「オーソモレキュラー療法」です。

難しく考えられがちな体と栄養の関係を様々な実例を用い、しかも血液データなど科学的に立証し、まんがで教えてくれます。

この本を読んで食べ物の重要さを理解し、ぜひ実践してください。

みみだより269号(令和1年9月)

シンギュラリティは近い?

シンギュラリティという用語をご存知でしょうか?

特異点(シンギュラリティ)という用語を初めて使ったのは、元々は数学者と天文学者ですがこの言葉が『人類の歴史を大転換する事象』という意味で使われたのは、1960年代のことです。I.J.グッドは“インテリジェントマシーンが人の手を介さずに次世代のマシーンを設計することで知能の爆発が起こる”と書いたのです。

この言葉は主として「人間の知能を超えた存在」が出現したために迫りつつある事象であり、これがきっかけとなって、とどまるところを知らない現象が起こるという論文が1993年に書かれています。

先月号で取り上げた「ホモ・デウス」の中に出てくる現象で、ここ20~30年の間に想像できないような社会に変革すると言われています。シンギュラリティが訪れるには、以下のような原則があると言われています。

①パラダイムシフト(技術革新)の起こる率が加速化している。現時点では10年ごとに2倍

②ITの能力は更に速いペースで、指数関数的に増加している。人間の知識量もその一つ。

③テクノロジーのコストパフォーマンスがさらに高くなり、技術の進歩に向けて、より多くの資源が投入される。

④20年以内に人間の脳のすべての領域の働きについて、詳細に理解できるようになる。

⑤人間の知能を模倣するためのスーパーコンピューターが進化して、2020年の終わりまでには、コンピューターの知能が生物としての人間の知能と区別できなくなる。

などなど。 詳細は下記の書物をご参照ください。

 


【今月の一冊】

「シンギュラリティは近い」

 レイ・カーツワイル/著 NHK出版

テクノロジーと人間の知能が融合するとき、最終的には宇宙全体に我々の知能が融和する。そのはじまりのポイントがシンギュラリティ(特異点)である。従来の考え方では、20年後の世界を今から予測することはほぼ不可能と説く。本書は「ホモ・デウス」同様、鳥肌物の一冊

みみだより268号(令和1年8月)

ホモ・サピエンスの時代は終わるのか?

GAFAという用語をご存知でしょうか?

これは世界の最も巨大なネットワークを持つグローバル企業のGoogle/Apple/FaceBook/Appleの頭文字を並べたものです。これらの企業の最も重要な要素は「情報」です。膨大な数の顧客のスーパーコンピュータで処理、解析して、たとえば何か1冊本を買うと、次の瞬間には、好みのテーマの本を推奨してくれますし、欲しがっているだろう商品をアドバイスしてくれるなどどいったことは既に普通の事です。

『サピエンス全史』を書いた著者は、その続編とも言える「ホモデウス」の中で、“人の行動は、全てアルゴリズムによって行われるものであり、細かい情報が集まりさえすれば、その人の健康状態から好みの異性のタイプ、行きたいところ、政策に対する考え方など、これまで自由意志行われていた事は全てAIで解析できるようになる”と書いています。そして、こうも書いています。

“悲しいかな、どれほど勤勉な医師でもこれまで私がかかった病気や受けた健康診断の結果を全て覚えてはいない。同時に病気や、一つ残らず熟知している医師やありとあらゆる医学専門詩に発表された新論文を全て読んでいる医師はいない。一方、最新のAI診断装置は、自分のデータバンクに歴史上知られている全ての病気や薬についての情報を保存しており、なおかつ、これらを毎日アップデートできるのだ”。

したがって、人間の医師にできることは限られ、いわゆる家庭医の存在は将来危うい。

一時が万事この調子で、人の行動は全てAIによって左右されるようになり、ごく一部の人類だけが、ホモサピエンスを超えた超人(ホモデウス)として出現して世界を支配するようになる。ちなみにデウスはギリシャ神話の全知全能の神、ゼウスのことです。

 


【今月の一冊】

「ホモ デウス(上)(下)」

 ユヴァル・ノア・ハラリ/著 柴田裕之/訳 河出書房新社

まさに人類の近未来を、莫大なデータを基に説き尽くす。圧倒的なテクノロジーとサピエンスの未来予想。

ぜひ読んでおきましょう。やがてやってくる未来をのぞき見するために。

みみだより267号(令和1年7月)

思春期のニキビは鉄・亜鉛不足が原因

地球上で生命体が誕生したのは、今から38~35億年前と言われています。いくつかの奇跡が重なって起こったきわめて不思議な現象だったとある学者は言います。

更に奇跡が重なり、多細胞生物が誕生したのが15~14億年前で、その頃地球上にあふれていた金属が鉄でした。ウイルスや細菌、多細胞生物を問わず、皆このミネラルを利用する代謝系を形成していったのです。それと共に亜鉛、更に銅、セレン、モリブデンなどを利用し、地中深くに存在していたヒ素、水銀、カドミウムなどの重金属は、逆にそれらに触れると生命を脅かされることになったのです。

これらの重金属は、共通する受容体を通して、腸管から吸収されます。ですから、鉄や亜鉛の摂取量が減るとその他の有害な金属の吸収が高まる結果となります。

お米を食べる東南アジアの民族では地中のカドミウムを微量づつ摂取するはめになっており、最近多くなったアルミニウム(缶入り飲料の大半がこれ)、水銀(歯科用材)と共に、日本人の集積が多いと言われています。

では、ここで鉄欠乏による症状を復習してみましょう。

□歯茎から出血する

□知覚過敏症がある

□あごの関節に違和感や痛みがある

□歯磨きや型取りの際に嘔吐感がある

□食べ物が飲み込みにくいことがある

□肩こり、背部痛、関節痛、筋肉痛がある

□よくアザができる

□たちくらみ、めまい、耳鳴りがする

□手足が冷える

□頭痛、頭重になりやすい

さらに、皮膚に出やすい症状として

□なにもないのにやたらかゆい

□かゆいブツブツが出る

□かぶれやすい(化粧品、金属、湿布など)

□手あれが治らない(特に女性)

□あせもができやすい

□髪の毛や衣類が触れるだけでかゆくなる

□冷え性、しもやけ

□爪が割れやすい

□白髪、髪が抜けやすい

□唇・口の周りのトラブル(ニキビ、ヘルペス)

□口の周りとあごにかけてニキビができる

□肝斑ができやすい

□白斑が治らない

□神経痛が続いている

□手足の異常感覚(むずむずなど)

□生理前にニキビが悪化

~オーソモレキュラー療法・チェックシートより~

いかがですか?前半の10項目の3個以上思い当たれば鉄不足の可能性があります。

鉄の補充は、思春期の子どもたちではとても重要です。特に女子、また男子でも部活などで激しい運動をする場合ではその補充は必須となります。お肉を食べましょう!!

次回は亜鉛を見直してみましょう。

 

みみだより266号(令和1年6月)

食事を変えることの重要性 ~心豊かに過ごすために~

予測もつかないような凶悪な事件の報道に触れる度に、胸がつぶれる思いがして、一体どうすれば防ぐことができるのだろうかと途方に暮れます。

技術の革新で、自動ブレーキがすべての車に搭載され、町中に監視カメラが配備され、スクールバスに運転手以外にガードマンを乗せたり、地域で見守り巡回を強化したり・・・と考えつくことをすべてやったとしても、今回の川崎の事件のような凶行を未然に防ぐことは困難のような気がします。

今回の凶行に走らせた直接のきっかけが何だったのかを検証することも大事です。しかしながら栄養学的な観点から脳内ホルモンの過不足があるのではないかと考えることも必要だと思います。

心が穏やかになったり、よく眠れたり、幸福感を感じたりするのは、脳内で神経伝達物資が充分に作られ、正しく機能しているからなのです。GABAやセロトニンやノルアドレナリンといった神経伝達物質を作る材料は、まずたんぱく質です。充分なたんぱく質が摂れていなければ、心が豊かにならなくなり、他人の幸せを喜ぶことができず、嫉妬やねたみが起こり、道連れ意識が起こってしまいます。

また、これらの神経伝達物質が不足すると、鬱状態になり、何かの拍子で自殺や自傷行為に及ぶことがありますし、炭水化物に偏った食生活をしていると、低血糖症になり、普段はとてもおとなしい人が突然凶暴になったり、暴言を発したりすることもあるのです。アメリカで研究された犯罪心理学ではよく知られた現象です。

やはり心配なのは現代の小中学生です。食事内容があまりに偏ってはいませんでしょうか。

まず食生活から変えていくことが第二第三の同じような事件を起こさないために必要なのではないでしょうか。

 


【今月の1冊】

「子どもの“困った”は、食事でよくなる」

溝口 徹著 青春出版社

\800+税 2011年

キレる・多動・不登校・・・

その「困った」は発達障害やADHDではないかも。身近な食べ物が心のトラブルを引き起こす。成長期の脳と体のための最新栄養医学。

みみだより265号(令和1年5月)

アルツハイマー病にならないために 続
 

 

 

今月も『アルツハイマー病 真実と終演』という本からです。

【アルツハイマー病にならないための食生活】

①低炭水化物食にする

 糖類、パン、じゃやがいも、白米、ソフトドリンク、アルコール、キャンディー、ケーキ、加工食品などの単純炭水化物食品の摂取を最小限にすること

②適度な運動

 早歩き、それよりやや激しい運動を1週間に150分以上

③少なくとも12時間の絶食

 その日の最後の食事と次の朝の最初の食事まですくなくとも12時間以上空ける

④夕ご飯は、就寝3時間前まで

⑤リーキーガット(腸漏れ症候群)を予防し、腸内フローラ(腸内細菌叢)を最適化する

 グルテン(小麦)カゼイン(乳製品)など、過敏性が出る食品をできるだけ避ける

⑥フルーツジュースより果物を丸ごと

⑦チーズバーガー・ポテト・ドリンクのセットを避ける

⑧アボカド、ナッツ、シード、オリーブオイル、MCTオイルなど良質の脂肪を摂る

⑨加工食品を避け、自然食品を摂取すること

⑩魚を摂るならSMAS(サケ、サバ、イワシ、ニシン)など水銀の蓄積の少ない物を

⑪肉の摂取量は体重1Kgあたり1gを

⑫プロバイオティクスやプレバイオティクスを取り入れる

 キムチ、ザワークラウト、酢漬け、味噌汁、昆布茶など。

 ヨーグルトもプロバイオティクスだが、糖分を含み、何より乳製品なのでやはり摂取しない方がいい

⑬消化酵素は有用である

⑭栄養や認知機能の保護をサプリメントで最適化する


 

【今月の1冊】

「飲んではいけない認知症の薬」

浜 六郎著

SB新書 \800 2018年

「たった1錠が脳をダメにする!」

間違いだらけの処方から家族を守る新常識

薬のプロが鑑定 要注意な薬剤リスト付き

※ぜひお読みください

みみだより264号(平成31年4月)

アルツハイマー病にならないために
 

『アルツハイマー病 真実と終演』という本があります。従来、発病してしまうと治ることのない不治の病と考えられていたアルツハイマー病ですが、これに異を唱えて、長年の研究に基づいた方法で、すでに1000人以上の患者を治してきた実績を詳細に記載している画期的な書物です。もちろん日本語に翻訳されており、監訳は『いつものパンがあなたを殺す』の翻訳でも有名な白澤卓二氏です。

その本の中で著者は、アルツハイマー病は単一の原因で起こる病気ではなく、実は36個の原因が絡まっていると説明しています。「いわば、屋根に36個の穴が空いた家」みたいなものだと。ですから単一の薬剤で治すことなど不可能で、その穴を一つ一つ見極めて、埋めていく作業が必要なのだと説いています。

その方法を彼らはリコード法と呼んでいます。本の中頃に、「これであなたもアルツハイマー病になれる」という衝撃的な項目が挙がっています。以下、引用します。

『朝食は定番の甘いロールパンかドーナツ、オレンジジュースを大きなコップ一杯、コーヒーには大量の低脂肪牛乳・・・これで、炎症を誘発する乳製品を大量摂取だ。砂糖でインスリン抵抗性に向かって前進し、グルテンで胃腸内膜に穴を開ける。胃の逆流を防ごうとプロトンポンプ阻害剤を取り出して胃酸を減らす。亜鉛やマグネシウム、ビタミンB12などの重要な栄養の吸収が損なわれるというのに。そして、スタチン(コレステロールを下げる薬)を飲む。これで、脳の萎縮の危険性が上昇する。~中略~ 午前中、血糖が急降下したら、オフィスの配膳室に直行。気が利く同僚が、誰でもどうぞとチョコチップマフィンを一箱置いているな。ランチはカフェのサンドイッチしか食べる暇が無い。白いパンにスカスカで食塩を注入した鶏肉には、ホルモンと山盛りの抗生物質、ストレス要因がいっぱいだ。うまい。』云々と続きます。

さて、こうやって発病していく認知症は我々はどうやって予防し、進行した病状を回復させるのでしょうか。全国民が読むべき本と言っても過言ではありません。


 

【今月の1冊】

「アルツハイマー病 真実と終焉」

デール・ブレデセン著

白澤卓二 監訳 山口茜 訳

紀伊國屋書店 \1944 2018年

現代医学の常識を打ち破る衝撃のベストセラー。

こんな人にお勧め。

✓自分や家族や友人がアルツハイマー病。

✓この病気は一度進行したら治らないと思っている

✓40歳以上の方(は、すべてこの病気の予備軍)

ぜひお読みください。

みみだより263号(平成31年3月)

栄養の基礎 その2
 

1.たんぱく質(続き)

たんぱく質は、約20種類のアミノ酸からなり、あらゆる細胞やホルモン、酵素などの原材料です。したがって、たんぱく質を摂取しなければ生命の維持ができません。とりわけ、必須アミノ酸と呼ばれる9種類のアミノ酸は、食事以外からでは摂ることができません。

中でも、硫黄を含んでいる含硫アミノ酸であるメチオニンは、遺伝子情報のDNAに従って、蛋白合成を開始するスタートボタンとなっており、これは動物性たんぱく質にしか含まれません。肉を食べるとムカムカする、とか ガスがたまる、とか おなかがゴロゴロいう とかの理由で食べる量が少ないと、たんぱく質を消化する酵素も作られなくなり、ますます肉が食べられなくなるといった悪循環になってしまいます。

まず、生体の構成要素のうちで、最も基本となるたんぱく質を充分にバランス良く(すべてのアミノ酸が均等にとれるということ)摂ることが、健康状態を維持するために必要です。

江戸時代に書かれた貝原益軒の「養生訓」には、すでに長生きの秘訣が事細かに記載されています。その中の一説を紹介します。

『人が楽しむべきことは三つある。一つ目は、道を極めるように生きて、悪いことをせずに、善行を楽しむ事。二つ目は、健康で快く過ごすことを楽しむ事。三つ目は長生きを楽しむ事。いくらお金持ちになっても、身分が高くなっても、この三つが無ければ本当の幸福や楽はない』『好き放題に食べていては、命を縮めるもとだ』とも書かれています。

「何をどう食べるか?」まさしく『医食同源』の考え方が大事です。


【花粉症対策】

今年のスギ花粉は、まさに半端ない飛散量です。充分なケアが必要です

①ウィンドブレーカーなどを羽織り、花粉を衣服につけない

②家に持ち込まない

③部屋の換気は朝一番に

④花粉が最も飛ぶ時間は正午と午後5時頃(外出注意)

⑤空気洗浄機を玄関に設置する

⑥洗濯物などは外に干さない

⑦掃除機をかける前にできれば拭き掃除を

⑧生後5ヶ月以降の子どもは、今シーズンに花粉を浴びないように気をつける(感作させない)

 

栄養の基礎 その
 

 

ヒトをはじめとする動物は外から栄養を摂取しなければ生きて行くことができない「従属栄養生物」です。これに対して、自分が生きるために必要な栄養素を自分で作り出せる生物を「完全栄養生物」と言うそうです。カビなどの仲間にはこのような生物がいるそうです。しかし、進化の過程で次第に必要な栄養素を自分で作るよりはるかに楽な『食べる』という行為で代用するようになりました。

人間が体内で作ることができない栄養素は「必須」という頭文字がつくものです。「必須アミノ酸」「必須脂肪酸」「必須ミネラル」そして「ビタミン」です。

多くの動物は、ビタミンC以外の栄養を自前で作ることができませんが、人間はそのビタミンCすら自分では作れません。したがって、人間は外から取り入れなければならない『必須な栄養素』がどんな動物よりも多く、生きていくためには必ずそれらを摂取しなければなりません。

人間や動物がその名のとおりに動くためには、エネルギーを作り出さなければなりませんが、体の中でそのエネルギー(ATP)を作ってくれるのが、ひとつひとつの細胞の中にあるミトコンドリアです。

人間のミトコンドリアは、一つの細胞に数百個から数千個が存在しています。そしてミトコンドリアの遺伝情報はすべて母親からもらい受けます。

このATPを作り出す材料はいわゆる三大栄養素の・たんぱく質・資質・糖質(炭水化物)です。一つずつ見てみましょう。

1.たんぱく質

言わずと知れたすべての細胞の材料です。日本人のたんぱく質摂取量は、あらゆる年代においても不足が指摘されています。1日におおよそ250~270gのたんぱく質が壊されては再生を繰り返しています。これを代謝と呼んでいます。

これらのうち、約200gは自分の体のたんぱく質をリサイクルしています。ですから食べ物で摂らないといけない分は、約50~70g、すなわち体重1Kgあたり1~1.5gと言うことになります。


【耳鼻咽喉科学会関連会議 報告】

1月26日に、東京で日本耳鼻咽喉科学会の『産業環境安全委員長会議』があり、出席してきました。

【トピック1】風疹流行への対策

2020年オリンピック・パラリンピックまでに39~56歳の男性の風疹抗体価を90%に上げるという目標達成のため、4月以降、この年齢群の男性を対象に抗体検査やワクチン接種を無料で実施するということになりそうです。

みみだより261号(平成31年1月)

薬に頼らない健康維持の秘訣 その47
 

 

老化は仕方がありません。誰しもオギャーと生まれた瞬間から老化が始まっているといっても過言ではありませんが、いわゆる老化の影響が明らかに目立ってくるのは、現在では75歳以上と考えられています。

では、それ以上の人でも年齢よりずっと若い、あるいは若々しい方々の特徴は何なのでしょうか?その一つはいつもニコニコ笑っているという点です。ではなぜニコニコしていられるのかと言うことは、これまでよくわかっていませんでした。

気持ちが穏やかで、幸福感を感じるのは脳内ホルモンの働きです。その代表的な物質がGABA(ギャバ)やセロトニン、意欲的に何でも挑戦できるのを促すのがノルアドレナリンなどの物質です。いずれも腸内あるいは脳内でアミノ酸から作られます。アミノ酸の原料はもちろんたんぱく質ですね。

わたしたちが食べたたんぱく質は、胃の中で、消化酵素によって消化され、アミノ酸やそれのいくつか集まったペプチドにまで分解されます。胃内での消化の時に、どうしても必要なものが胃酸と鉄とビタミンCなのです。

最近は、逆流性食道炎という病気が大流行(別に流行病というわけではありませんが)しており、なんでもかんでも胃酸の分泌を抑える薬剤が処方される傾向にあります。胃酸の分泌抑制は、たんぱく質の消化を悪くし、腸内環境が弱酸性に保てなくなってしまう可能性があると指摘されています。腸内環境が弱酸性に保てないと、腸内カンジダが増殖してしまう傾向となります。カンジダの持つ毒性は軽くはありません。消化管粘膜の表面構造を分解したり、自己免疫疾患を誘発したり、グルテンアレルギーを引き起こしたりして、様々な病気の原因になるといわれています。

その薬が本当に必要な薬かどうかということに目を向ける姿勢を養いたいものです。


【インフルエンザの季節】

冬休みが終わると、少し下火だったインフルエンザが一気に増加します。A型からB型へ流行株がシフトしていくのもこれからの時期です。5歳ぐらいから15歳ぐらいまでの子どもたちが感染すると、まれに脳症を起こすことが従来から報告されています。一時期には抗ウイルス剤との関連が指摘されていましたが、どうやらそれはないということに決着したようです。

昨年の9月に厚労省はこれまでのタミフルについての「10歳以上の未成年者には本剤の投与を原則差し控えるように」という記載を削除して、「タミフルの服用にかかわらず、就学以降の小児・未成年者の男性で重度の異常行動が多いこと、発熱から2日間以内に起こることが多い」という内容に変更して注意を喚起しています。

薬に頼らない健康維持の秘訣 その46

病気になってから治療するのは、効率が悪いということをどなたにでもご理解いただけるとおもいます。薬を飲まなければ日常生活が維持できないというのでは本当に悲しいものです。

この100年間で、西洋医学は長足の進歩を遂げました。治る病気や治せる病気も増えましたが、一方で、これまでに無かった病気が増えてきえいるのも事実です。

現在、日本人の死因第1位はガンです。今では二人に一人はガンで亡くなるという確率です。平均寿命も延びて、世界に類を見ない超高齢化社会となっていますが、その一方で、認知症が増え、いわゆる健康寿命という点でいえば、決して良い状態ではありません。理想的な生き様はやはり“ピンピンコロリ”ではないでしょうか。

「食べる・寝る・出す・笑う」というのが人間として最も健康レベルの高い状態の目安とも言えます。そのためにはなるべく健康被害を起こさない食生活が基本になります。健康被害をもたらす最大の問題点は「糖質過多」です。世の中に氾濫している食品には、糖質を過剰に含んでいるものが多く、一つ一つはたいしたことはなくても、累積されて知らず知らずに糖質過多になっている懸念があります。糖質過多は慢性的なビタミン不足を起こし、脳内ホルモンの産生能力が低下して、うつ傾向や睡眠障害、パニック障害、慢性疲労、全身痛などといった難治性の病態を引き起こします。その結果、不登校、就労障害、ひきこもり・・・と深みにはまっていってしまう可能性があります。

すべての基本でありたんぱく質をまず充分に摂取する食生活の改革が何を差し置いても必要です。牛のように腸内細菌の働きで草を食べて肉を作り出すことができない人類は、他の生物を食することで自分の生命を維持していかなければなりません。


【インフルエンザの季節の乾燥対策】

ウイルス性の病気は、まず鼻から入り込み、上咽頭に定着することから発病します。そのまま気管を通過して、気管支や肺へ到達することで感染を起こすウイルスもあります。

粘膜表面への定着を阻止することが一つの対策になります。鼻やのど、気管などの粘膜の表面には一面に線毛が生えており、様々な異物をかき出す役割を持っています。この働きは常に適度な湿度を保つことで充分な機能を発揮します。乾燥が大敵です。寝ている間ののどの乾燥、起きているときの乾燥を防ぐ工夫をまずやりましょう。

寝室の加湿は必須です。ふだんのこまめな水分補給もとても有用です。ただし、のど飴や清涼飲料水などは糖分が含まれているものが多く、逆効果になることがありますので注意が必要です。

みみだより259号(平成30年11月)

薬に頼らない健康維持の秘訣 その45

秋のスギ花粉症をご存じでしょうか?

今年の夏はことさらに暑かったため、スギの花芽がたくさん着いています。来春は全国的にスギ花粉の飛散が例年を上回ると予想されています。

暦の上では11月7日が立冬でしたが、とても冬とは思えないような昼間の暖かさです。そうするとスギの木は“春が来た!”と勘違いして、まだ充分に育っていない花粉を早々と飛ばすことがあります。

このところの快晴の日に、鼻炎症状が出たり、のどが痛くなって咳が出たりする患者さんが激増しています。これらは秋のスギ花粉症の可能性があります。天気が良いからと言って、布団を思いっきり干してしまい、その晩に苦しい思いをすることもありますので、注意が肝心です。布団は干さないか、干した場合にはきちんと掃除機をかけてから使うようにしましょう。

スギ花粉症は、ダニアレルギーと同じように舌下免疫療法がわが国でも定着してきました。花粉のエキスをしみこませた溶けるタイプの錠剤を1日1回、舌の下に置いて溶かして吸収させ、時間をかけて免疫をつけていく方法です。エキスの濃度が高くなり、有効率は従来の皮下注射型に比較してもひけをとりません。

 抗アレルギー剤や点鼻液・点眼液などの薬による治療はたしかにその時々の症状をある程度抑えますが、根本的には治りませんので、場合によっては一生つきあっていかなければならない人も出てきます。その点、免疫療法はかなりの効果をあげることができます。

また、最近新たにわかってきたビタミンDのアレルギーに対する効能を用いた栄養療法もあります。

いずれにしろ今般的な治療を目指していきたいものです。

 


【インフルエンザの季節】

すでに市内のいくつかの地点で、単発的にインフルエンザの患者さんが出ています。今年は流行が早くくるかも知れません。

呼吸器に問題のある高齢者や抵抗力の弱い乳幼児、また受験生は積極的に予防接種を受けておきましょう。

発病してしまうとある程度有効な薬剤もいくつかありますが、発病後に重症化して脳症を起こす可能性のある年代(小学生)も最近になってクローズアップされてきました。

今のところ、皮下注射のワクチンは発症予防には十分な効果はありませんが、重症化を防ぐ効果は認められています。

みみだより258号(平成30年9-10月)

薬に頼らない健康維持の秘訣 その44

 

今年の夏はことさらに暑く、また未曾有の自然災害がいくつも発生しました。想定外の事態に立ち至ると、人は大変なストレスにさらされることになります。人の体は肉体的、精神的なストレス下に置かれると、抗ストレス作用を持ついくつかのホルモンが次々に活性化されて、そのストレスに対抗しようとします。アドレナリンやノルアドレナリン、セロトニンやGABAなどです。そして最終的には、副腎皮質ホルモンつまりステロイドホルモンが何とかバックアップしようとしてフルに活動し始めます。

それでもストレスにさらされ続けるとついにはステロイドホルモンが枯渇状態となり、いわゆる『副腎疲労』という病態に移行してしまうことがあります。慢性疲労症候群や線維筋痛症などと呼ばれる病態もその一つの表現型と言われています。

ストレスが持続的にかかっても、きちんと抗ストレスホルモンを作り続けるためにはそれらを作る材料を適切に、そして大量に補充し続けなければなりません。

その材料として最も大切な栄養素が脂質やたんぱく質とビタミンとミネラルです。とりわけ日本人のたんぱく質摂取量は厚労省のHPによれば、全年齢に渡って不足しているのです。良質の肉、魚、卵などの動物性のたんぱく質、質の良い大豆製品(と言っても90%以上が輸入品ですが・・・)を摂り続けることが大切です。

被災地には、おにぎりやカップ麺やパンと言った糖質中心の救援物資が大量に届けられます。しかしながら、被災地の方々に必要なのはたんぱく質なのです。被災地で糖尿病患者が急増したり(各被災地から報告が届いています)、症状が悪化するのはあまりにもよく知られた、しかしなかなか表に出ない事実です。

救援物資はぜひ缶詰にしましょう。たんぱく質をたくさん摂ってもらって復興の手助けになるように。糖質中心の物資支援は被災者に更なる追い打ちをかけることになりかねないということを知っておきましょう。

 


【夏から秋にかけての注意事項】

1年のうちで最もいろいろな病気が悪化しやすいのが秋口です。朝夕の気温差が、ぜんそく発作を起こし、鼻炎症状を悪化させ、めまいや耳鳴りを誘発し、うつ病傾向が増加します。

夏の間に栄養を十分に補給していなかった付けが回ってくるからです。今からでも遅くはありません。麺類などを控えて、肉や魚、卵、大豆製品、豊富な野菜、木の実をたっぷりと補充しておきましょう。 来たるべき風邪のシーズンに立ち向かえるように!!

みみだより257号(平成30年8月)

薬に頼らない健康維持の秘訣 その43

 

最近テレビの健康番組では、従来言われていたような“卵を食べるとコレステロールが上がります”といった根拠のない話を否定するような論調が増えてきました。もっと肉や卵をたくさん食べましょうというような指導をよく見かけるようになってきました。ありがたいことです。

ただ問題なのは、その一方で、糖質制限の必要性をきちんと説明しない番組が多いことです。これまでの常識が覆されるためには、その常識を金科玉条としていた学会の重鎮たちが全て引退することが必要条件と言われています。そして、今後予防に重きをおかない限り、我が国は数十年で体制が弱体化して、お隣の大国に飲み込まれてしまうかも知れません。

和食が健康に良いなどという考えはさっさと捨て去り、来るべき穀物枯渇の時代に向けて舵を切るべきです。霜降り肉を作り出すために本来の食べ物ではないトウモロコシをたべさせられている牛たちを解放して、放牧による。本来の草食に戻してあげるべきです。

さて、今年の猛暑は一段と厳しいですが、熱中症で搬送される患者が後を絶ちません。毎年のことですが、熱中症予防のための水分補給が推奨されます。もちろん充分な水分や塩分の補給は必要ですが、それ以上に大切なことはたんぱく質やビタミンの適正な量の補給です。k十分量の動物性たんぱく質の補充が筋肉量を増やし、同時に必要な鉄や亜鉛やビタミンを補充できます。

スポーツドリンクに頼った水分補給は糖質を大量に摂ることになってしまい、ビタミンを消耗して痙攣を起こしやすくなります。充分に気をつけましょう。


【おすすめの一冊】

「糖質制限で頭がいい個になる ~三島塾のすごい子育て~」 三島学著 江部康二監修 かんき出版

『子どもは砂糖を1日25g未満に!』

これはアメリカ心臓協会が2016年に発表した提言です。この提言をもとに、子どもに糖質制限の食事指導と学習指導を実践して、難関校に次々と合格させている学習塾が福岡にあります。その塾長が細かいレシピも含めてノウハウを記したのが本書です。受験生をかかえる親御さんたち必読ですよ。

みみだより256号(平成30年7月)

学会情報 『日本耳鼻咽喉科学会総会』'18、6/1~6/2 in 横浜

 

日本耳鼻咽喉科学会総会に続いて、日本東洋医学会総会(大阪)に出席してきました。

医学が日進月歩で変化する中、東洋医学は2000年以上も変わることなく綿々とヒトを全体としてみるという姿勢を繋いできました。

西洋医学の考えは、ますます専門化・細分化され、ついには遺伝子レベルの研究が急速に発展してきました。そして皮肉なことに、これらのミクロ的な研究が進めば進むほど、人間を全体としてとらえることの重要性がわかってきました。ようやく西洋医学が東洋医学の本質に追いついてこようとしています。

東洋医学の根本概念は「医食同源」です。また「未病を治す」という考え方です。病気になってから化学物質を用いて治療するのではなくて、病気になっている原因そのものをつきとめて予防していく・・・このような考え方が、今後ますます重要視されていくことになるでしょう。

現在、わが国の認知症の患者数は、700万人以上、予備軍まで含めると1500万人を超えると言われます。世界保健機関(WHO)が認知症に発展する危険因子を9項目提唱しています。その第1番目が糖尿病です。そして、鹿児島県の糖尿病関連死亡者数は47都道府県中でワースト5位です。それだけ糖尿病患者数が多いのです。しかも気づいていない隠れ糖尿病の人は膨大な数にのぼると思われます。つまり、今後10年間で認知症になっていく人が爆発的に増加していくということです。いまや人ごとではありません。

子どもの頃からの糖質の過剰摂取が基本にあり、その食習慣が大人になっても続き、車に乗り始めて運動不足になり、年齢的な変化が重なって糖尿病が発症します。重症化するまでは、健康診断でも引っかかることはありません。そして認知症の魔の手が待っているのです。


【おすすめの一冊】

「ガンになったら肉を食べなさい」 溝口徹著 PHPサイエンスワールド新書 \800

ー抗がん剤、粗食に疑問を持った方へー ~トータル栄養アプローチでがんと闘う体を作る~

2011年にこの本が出た頃は、まだまだこういった考え方はごく少数派でした。しかしながら最近ではテレビの健康番組でも動物性タンパク質の重要性が指摘されるようになってきました。糖質を減らして、タンパク質や動物性脂肪をしっかり補充していくことの大切さを世に問うた初期の傑作といえます。あらためてご一読をおすすめします。

みみだより255号 (平成30年6月)

学会情報 『日本耳鼻咽喉科学会総会』'18、6/1~6/2 in 横浜

日本耳鼻咽喉科学会総会に出席してきました。

いくつかの教育セミナーを聴講しました。中でも興味深かったのが最先端の遺伝子工学に基づいた治療法についてのシンポジウムでした。

DNAの遺伝子配列がすべて解析されてから10年ほど経ちますが、各疾患ごとの異常配列が次々に解明されてきています。遺伝子異常に基づいて治療薬が考案され、一つ一つの悪性腫瘍に対する標的治療が純次に臨床試験に供されてきています。あと10数年のうちに多くの癌が克服されることになりそうだと驚くような発言がシンポジストたちから出されました。いよいよ癌が克服される日も近い・・・という印象でした。

そんな中、未だに解明できない難治性疾患もたくさんあり、新しい知見が積み重ねられつつありました。メニエール病や遅発性内リンパ水種、好酸球性中耳炎や副鼻腔炎などなど、外来で難渋する疾患群は、これからの医学の発展を待たねばなりませんが、いずれにしても遺伝子レベルでの解析が進んでいて、癌以外の疾患にも次々に光が当てられていくことは疑う余地はありません。

そんな夢のような時代が到来したとき、われわれ医師の果たすべき役割はいったいどのようになるのであろうか・・・と思いを巡らせる数日間でした。


糖質制限は是か非か?

最近、ちまたでもだいぶ市民権を得てきている「糖質制限」について考えてみましょう。

今回は、当院の外来で指導している控えてほしい食品リストの中から、特に清涼飲料水(500mlのペットボトル1本)に注目して、それらに含まれる糖質を角砂糖(1個4g)に換算して示してみます。

○紅茶花伝 糖質32g(8個)

○ポカリスウェット 糖質36g(9個)

○コカ・コーラ 糖質60g(15個)

○ファンタオレンジ 糖質64g(16個)

ちなみに○白ごはん茶碗1杯 55g(14個) ○かけうどん1杯 55g(14個)6枚切食パン1枚 30g(7,5個)ざっとこんな具合です。

つまり、ちょっとのどが渇いたからと言って清涼飲料水のペットボトルを飲み干すと、それだけで1日分の必要糖質量を上回ってしまう可能性があるのです。

血糖が上がるとインシュリンが分泌されます。飲んですぐにでも運動して筋肉内で使ってしまわない限り、血糖によって血管がダメージを受けるとともに、内臓脂肪に変換されてしまいます。

みみだより254号 (平成30年5月)

薬を使わない健康維持の秘訣 その42

肺炎球菌ワクチンとヒブワクチンが2011年に公費による集団接種となってから、鼓膜切開を要する重症の中耳炎症例は激減しました。ところが、急性中耳炎自体が激減しているわけではなく、軽症化が進んでいるというのがここ数年の流れです。しかしながら、昨年ぐらいから再び、重症例が増加する傾向が認められてきています。

それは、ワクチン以外のもう一つの減少要因であった新規抗生剤及び抗菌剤の効果が薄れてきているせいではないかと考えられます。新規の抗生剤はカルバペネム系と言われるもので、また抗菌剤はニューキノロン系と呼ばれる薬剤です。

現在、小児の上気道感染症の主な起炎菌は4種類です。肺炎球菌、インフルエンザ菌、モラキセラ菌、そして溶連菌です。従来の抗生剤は、使用頻度が高くなるにつれて、切れ味が悪くなってきていました。切れ味が悪くなるというのは、つまり、これらの菌が各種の抗生剤に耐性を持ち始めてきているということです。

抗生剤や抗菌剤は、本来、病原体がウイルスであれば無効です。つまり、感染症の原因病原体が細菌やマイコプラズマやクラミジアといった比較的大きい病原体でなければ効きません。しかも突然変異で、これらの薬剤が効かない菌がある一定の割合で出現してきます。ですから、最初は効いたとしても、次に感染症が起こるときには、その生き残った菌が増殖してきますので、同じ抗菌剤は効きが悪くなります。あとはおきまりのいたちごっこです。そうこうするうちに神のように効いていたこの二つのスーパー薬剤を持ってしても次第に効きにくい菌が出現するようになってきています。

風邪のほとんどはウイルス性疾患ですが、経過中に高率に細菌感染を起こすと言われています。しかしながら、それをきちんと確認せずにやみくもにいきなり最終兵器を使ってしまうという愚を冒していないか検証すべき時期にきています。

【おすすめの一冊】 「化学物質過敏症」 柳沢幸雄・石川哲・宮田幹夫 著 文藝春秋新書

シックハウス症候群という言葉が有名になってからずいぶん経ちます。多くのハウスメーカーは、建材に工夫を凝らして建築技術は飛躍的な進歩を遂げています。しかしながら、化学物質過敏を起こす物質は今では10万種類以上とも言われています。原因不明の体調不良や疲労など、気づかれずに進行しているケースも少なくないようです。本書では、この疾患を社会的に認知させた高名な医師たちが書いた緊急提言書です。基本の基本を世に知らしめた名著と言えるでしょう。

みみだより253号 (平成30年4月)

薬を使わない健康維持の秘訣 その41

糖尿病が今や国民病であることは疑う余地はありません。とりわけ、わが鹿児島県は糖尿病による死亡率が高く、常にワースト5に入っております。糖尿病の怖さはやはりいずれ起こってくる合併症にありますが、なかでももっとも恐れるべきは認知症です。

WHO(世界保健機構)が認知症の危険因子を9つあげていますが、その第一番に糖尿病が記されています。次いで、高血圧、飲酒と喫煙、心臓病などが続きます。糖尿病を予防し、治療することが認知症になる危険性を低くすることができます。

血糖を上げるのは「糖質」です。糖質とは何でしょうか。ブドウ糖、ショ糖、加熱デンプンがその本体です。一般的には炭水化物と言っても良いでしょう。

つまり、まず穀物(白米、玄米、餅、あられやせんべいなどのお菓子、パン、麺類、ピザ生地、餃子の皮、お好み焼き、たこ焼き などなど)です。

東日本大震災後に被災地に届いた物資は、ほぼ炭水化物が中心でした。福島県内地元の大学が調べたところでは、大人も子どもも肥満者が増えたそうです。熊本地震も同様のことが報告されています。

また、スウェーデンでは国を挙げた疫学研究で、「肥満の原因はカロリー過剰であり、カロリーを減らすためには脂肪摂取を減らさなければならない」という考えの基に、国家レベルで 15年間にわたって脂肪摂取制限を実施したところ、この期間に国民の肥満率は、なんと1,5倍に増え、糖尿病患者も増加してしまったのです。その結果、「肥満と糖尿病の原因は脂肪ではなく炭水化物である」という考えが一般的になってきており、現在ではスウェーデンでは、国民の4人に1人が糖質制限を実施しているそうです。さらに詳しいことを知りたい方は以下の本がおすすめです。

【おすすめの一冊】 「炭水化物が人類を滅ぼす(最終回答編)」 夏井睦 著 光文社新書

「傷は消毒してはいけない」といって、これまでの創傷治療のやり方を180度ひっくり返したあまりにも有名な著者が、糖質制限を推奨する前作に続いて出した、決定版的な書物です。人類が本来何を食べてきたのかに回帰し、糖質制限こそが諸病の解決法であることを説いています。「穀物の食料化の試みは1万年にわたり人類に恩恵を授けてくれたが、ついに限界に達したのだ。この食習慣を続ける限り、ヒトは穀物と共倒れだろう ~本文より~」

みみだより252号(平成30年3月)

薬を使わない健康維持の秘訣 その40

またまたスギ花粉症の季節がやってきました。インフルエンザの流行がまだ収まらないというのにです。スギ花粉症やダニなどのアレルギー性鼻炎は、今や我が国の国民病とも言える困った事態となっています。

この時期の日本全体の経済的損失は5000億円からなんと1,2兆円にも達するという試算もあります。毎年毎年、薬を飲んで点鼻薬や点眼液のお世話になるという悲しい現実が風物詩のようになっています。根本的に治す方法はないのでしょうか。

その答えの一つが免疫療法です。従来の皮下治療法に加えて、ここ数年前から、より簡便な舌下免疫療法が保険適応になっています。原因物質をしみこませた溶ける錠剤や液剤を舌の下にくわえてしばらくして飲み込むという方法を毎日3年間ほど続けることで、原因物質に対する反応性を落としてしまうという治療法です。ニカワ職人が生まれた子どもに将来を見越して、少しずつ少しずつニカワをなめさせて免疫をつけていくという民間によく知られた方法に医学的な理論付けをしたものです。なぜ効くのか?実際にはそのメカニズムはまだ完全には解明されてはいません。

栄養療法的には、ビタミンD3を至適濃度まで投与する方法があります。これがもう一つの答えです。元々ビタミンDは、日光ビタミンども言われ、お日様にきちんと当たっていれば、我々黄色人種では不足することはないと言われていた栄養素です。ところが最近は、紫外線の毒性が強調されるあまり、直接日光を浴びない風潮となっており、不足しがちになっています。

家の中にこもっている人にアレルギー疾患が多いのもまた事実のようです。至適濃度のビタミンDを摂取することで花粉症やダニアレルギーが治る可能性が指摘されてきています。ご興味のある方は当院の外来でご相談下さい。

みみだより251号(平成30年2月)

薬を使わない健康維持の秘訣 その39

~健康の維持~

最近のテレビ番組は、高齢化を反映して健康ものが極端に多い気がします。しかも奇をてらった演出で持って回った言い方をして、視聴者を翻弄しているように見えます。番組作りは視聴率至上主義でしょうから、ある意味当然なのかも知れません。見る側があまり振り回されないように気をつけたいものです。

ワクチンが少なかったせいか、昨季あまり流行しなかったせいか、この冬は寒さと共にインフルエンザの大流行が起こっています。例年ですと、まず年明けにA型が流行し、そのあとにB型が流行るのですが、今年は両方の型が同時に流行しています。中にはA型B型同時に陽性反応が出る方もいらっしゃいます。ワクチンを打っていればかかっても重症化することは少ないので、さほど心配は要りませんが、ワクチンが足りなくて打てずにかかった人の中には、基礎疾患次第でかなり重症化している人もいらっしゃいます。

今のところ、A型は抗インフルエンザ薬が有用ですが、B型に関してはあまり効果が期待できません。倦怠感を伴う発熱や感冒症状の際には、喘息などのアレルギー疾患を持っている人、高齢者・乳幼児などの抵抗力の弱い人は、早めの受診と治療が必要です。

予防と治療に最も有効なのが、ビタミンCです。それもかなり大量に摂っておく必要があります。最低でも1日に2000mg(2g)は摂りたいものです。確実な予防と治療を期待するなら、1日10g必要と考えられます。

1日10gのビタミンCは、いったいどれぐらいかと言いますと、一般的なレモン100個分に相当します。食品で摂ることは不可能ですので、サプリメントで補う必要があります。もちろん食品も大事です。豊富な食材は、ブロッコリー(抗酸化作用もあります)、アボカド、かいわれ大根、パセリ、トマト、もちろんレモンなどです。(ビタミンCの詳しいリーフレットもご希望の方には差し上げてます。)一般的に果物でビタミンCが摂れると考えられていますが、果物には果糖というやっかいな糖分が多く含まれていますので、甘い果物でビタミンCを摂ろうとするのは控えましょう。みかんも1日2個までにしましょう。

みみだより250号(平成30年1月)

薬を使わない健康維持の秘訣 その38

~風邪の予防~

風邪は一般的には、ウイルスによる感染症と考えられていますが、感染して発病するメカニズムは実はまだよくわかっていません。それがわかれば予防も確実にできるかも知れませんが、なかなか難しいところです。

風邪のウイルスには大変多くの種類が知られています。身近な風邪ではライノウイルスがその主役と言われています。

子どもたちにとって重要なウイルスには、高熱を引き起こすものが数多くあります。咽頭結膜炎を起こすアデノウイルス、ヘルパンギーナや手足口病を起こすコクサッキーウイルスやエンテロウイルス、喘息様気管支炎を起こすRSウイルスやヒトメタニューモウイルスなどです。また現在流行中のインフルエンザも代表的な高熱などの全身症状を引き起こすウイルスです。

インフルエンザウイルスは、その昔、世界中で400万人以上の死者を出したスペイン風邪として恐れられ、十数年単位で新型株が大流行して猛威を振るいます。が、このウイルスはマイナーチェンジが多いので、全く新型でなくても次々に変異を繰り返し、予測するのがなかなか困難だと言われています。ワクチンを打っていても、かかる人が少なくないのはよく知られた事実です。

ですからインフルエンザワクチン不要論を唱える学者もいますが、今のところワクチン接種により、発症しても重症化を防ぐことができると考えられています。ワクチン接種を受けたとしても、自分の抵抗力が落ちていればウイルスが血液に侵入する事になります。

ウイルスの効力は、乾燥と低温によって増強されると言われています。つまり室内の保温と加湿が重要です。特に寝室の温度(15℃以下にならない工夫)湿度(50%を切らないような工夫)を心がけましょう。そして、寝るときには、必ず一枚脱いでから寝具を被るような工夫が重要です。それでも汗が多く出ればこまめに着替えさせるのが良いでしょう。

薬を使わない健康維持の秘訣 その37

~肥満の原因は・・・? "The Obesity Code"から~

このタイトルの英文の雑誌に大変興味深い事が書いてあります。この本は昨年出版された本ですが、「肥満を解消するための解決方法」とでも訳せば良いのでしょうか?肥満に対する考え方は、長い間カロリーの摂りすぎが原因だと信じられてきました。現在でもなおその考えが主流だと思われます。

ところがこの本では「カロリーは肥満とは無関係だ」ということを、これまでに行われてきた数多くの疫学研究の結果をもとに説明しています。では、肥満の原因は何なのでしょうか?

答は「インスリンの分泌過多」なのです。アメリカでは成人の肥満はもちろんですが、子どもの肥満が大きな社会問題になっているようです。そこで、子どもを対象とした疫学研究が盛んに行われてきています。いくつもの研究内容が、子どもを2つのグループに分けて、片方にはカロリー制限と運動の励行を行い、もう一方は特別な指導を行わないといった疫学研究です。

驚くことに数年間をかけて行われた多くのそういった研究では、いずれも2つのグループの肥満度に差が出なかったのです。差が出た研究は、片方のグループに炭水化物やスナックの摂取を禁じたやり方です。つまり、カロリーが問題なのではなくて砂糖や炭水化物に含まれている糖質がインスリン分泌を促すことが問題であるという事がわかったのです。

むかしからおばあちゃんたちが言っていたように「甘いものは控えなさい。米や小麦は摂りすぎないように、スナック菓子は食べちゃだめ!」という指導がもっとも正しかったのだと著者は結んでいます。

みみだより248号(平成29年11月号)

薬を使わない健康維持の秘訣 その36

~子供の栄養と糖尿病と認知症~

 10月28-29日にかけて二つの学会をはしごしてきました。一つ目は、耳鼻咽喉科漢方研究会(東京・品川)です。私は、顔面神経麻痺に対する漢方治療について報告しました。いくつかの特別講演の中で、小児科のある有名な先生が、子供への漢方薬の飲ませ方についてのお話をして下さいました。

 その講演の中で「子供の熱性痙攣が増えている」という内容のコメントがありましたので、講演終了後にお話を伺うと「原因は鉄不足だと思います」とのお返事でした。日頃からこの事実を認識しておりましたので、「やはりそうですよね」としばし話が盛り上がりました。

 翌日の29日は、福岡大学の医学部キャンパスでの 東洋医学会九州支部総会でした。私は耳鼻科関連群の 座長をしました。特別講演でお話しされた有名な教授が、漢方薬だけではなかなか治らない病態に鉄や亜鉛の不足が潜んでいるという事例をご報告されました。

 これまた、当院が3年ほど前から取り組んでいる栄養療法の流れがここへ来てメジャーな動きをし始めたと 感慨深い思いでした。

 これらの講演内容のポイントは何かと言いますと、 鉄や亜鉛などの潜在的な不足が子供の頃から深刻になっており、糖質の過剰摂取と相まっていずれ糖尿病を招き、更には認知症を招いていくのだという恐ろしい  シナリオがすでに進行中だということです。

 現代人は、1日に何回食事をするでしょうか?   世界中の平均では、1970年代には1日3回が平均だったそうです。それが2000年には5-6回になっているととのことです。つまり、朝昼夕のいわゆる大きな食事に加えて午前と午後に間食を摂り、更に夜食を食べるといった具合です。しかもその内容はほとんどの場合、炭水化物です。これではインシュリンが出ないでいる時間がほとんど無いことになります。インシュリンが出れば肥満になり糖尿病に繋がります。そしてその果てには認知症が待っています。

 国民の貧困化は、肥満の増加と完全に相関していることが報告されています。貧しいと、つい安い炭水化物に飛びついておなかを満たそうとするからだそうです。 また「甘い物には、中毒性がある」とも報告されています。 子供の間食には良質なタンパク質を加えるようにして、成人は間食を控えるか、もし摂る場合にも、炭水化物を控えてタンパク質やΩ3系脂肪食を増やす必要があります。タンパク質で太ることは決してありません。

 

今季のインフルエンザ対策

ワクチン株が流行予想株に合致していない可能性も指摘されています。ワクチンを打ったからと言っても決して安心せずに、手洗い、うがい、充分な睡眠と栄養補給(特にビタミンC)、人混みでのマスクの着用などに努めましょう。そろそろ流行が始まっています。

みみだより 247号 記事より

薬を使わない健康維持の秘訣 その35

~肥満と糖尿病と認知症~

 敬老の日に厚労省が人口動態統計を発表しますが、 65才以上の人口が27.7%に上ることがわかりました。日本人の遺伝子が糖尿病になりやすいことについては以前にも書いたことがありますが、高齢者になればなるほど耐糖能の低下が起こります。つまり高齢者ほど糖尿病のリスクが高くなるのです。もっとも怖い病気ともいえる認知症の最大の危険因子が糖尿病であることはすでによく知られた事実です。

 糖尿病と言えばなんとなく肥満のイメージがありますが、日本人では意外にやせている人にも多いというのが特徴です。海外の肥満は、主に、皮下脂肪が原因ですが日本人の場合には、内臓脂肪型肥満が多いのです。

 内臓に脂肪がたまる、つまり肥満の原因は何でしょうか? 過食?、運動不足?、遺伝?、ストレス?、確かにこれらが関係していることは否めません。

 実は、肥満を起こすのはインシュリンというホルモンです。インシュリン分泌が持続的に多いと脂肪が蓄積され、肥満が起こることがわかっています。そして、このホルモンが出続けた結果、膵臓の産生細胞(β細胞)が疲弊してしまい、血糖を脂肪に変えて内臓に蓄積できなくなってきた病態が糖尿病です。

 本来、インシュリン分泌を起こすのはブドウ糖です。つまり糖質なのです。炭水化物は糖質と食物繊維の合体したものです。タンパク質や脂肪はインシュリンの分泌を起こしません。

 最近の研究では、肥満の予防のためにもっとも重要なことは、過度の食餌制限や過度の運動などではなく、1日の間で、インシュリンの出ない時間(つまり糖質を摂取しない時間)をなるべく長くすることだと言うことがわかってきました。つまり、なるべく早めに夕食を摂り、できれば10時間から12時間の飢餓時間をもうけることです。むろん、夕食から糖質をなるべく減らすことが大切なのは言うまでもありません。

 過度な糖質制限をいきなり行うとストレスがたまる人も多く、副腎皮質ホルモンの分泌が促され、血糖上昇が起きてこれが逆にインシュリン分泌を促してしまうとも言われておりますので、まずはプチ糖質制限(夕食から炭水化物を抜く)から初めてみましょう。

来季のスギ花粉症対策

今年の夏が暑かった分、スギの雄花がたくさん着いている可能性があります。来春の花粉症は、きつそうです。

 現在、スギ花粉症は、舌下免疫療法でかなりの高率で治癒させることができます。3年間ぐらい継続しなければならない点や、花粉飛散時期でないときにも服用しなければならない点、口腔違和感などの軽度の副作用などデメリットもありますが、それを考慮してもなお、メリットの方が大きい療法です。11月中に治療を開始すれば、来季の症状緩和に貢献できます。ご相談下さい。

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おれんじ鉄道上川内駅より
20分