前回に続き、腸内環境についてお話します。

よく耳にする「ビフィズス菌」とはどんな働きをするのでしょうか。まず乳酸菌とビフィズス菌は別物です。乳酸菌は食物繊維や糖をエサに、主に乳酸を作ります。乳酸菌は胃や小腸に見られますが、大腸にはほぼ生息しません。短鎖脂肪酸は作りません。

ビフィズス菌は大腸にいます。大腸の中で食物繊維や糖をエサに短鎖脂肪酸の50%以上を占める酢酸を作ります。この【短鎖脂肪酸】が今、もっとも注目されているのです。

【短鎖脂肪酸】には酢酸、酪酸、プロピオン酸があり、この短鎖脂肪酸が大腸内の環境を良くするのです。ビフィズス菌が作り出す酢酸は、大腸の上皮細胞の増殖を促します。この働きが腸の防御力を上げ、感染を防ぎます。大腸ガンのリスクを減らし、アレルギー症状の軽減作用があることもわかってきているのです。

　～みみだより　花だより　No.266　2019年6月号より～